前回は、クラウドソーシングで発注する際に気をつけたいポイントをご紹介しました。
今回は、受注する際に気をつけたいこと・良い案件を受注するコツをお伝えしていきます。
安易な引き受けは禁物。詳細を聞くのは恥ではない!
筆者の周りでもよく見られるのが、「とりあえず引き受けてみたら話が違って…」というミスマッチです。
発注側の言葉が足りなかった可能性もありますが、とりあえず引き受ける、というスタンスで地獄を見た人は何人もいます。依頼された案件の内容をしっかりとかみ砕いてから、引き受けるか考えましょう。
発注文章で詳細がわからなければ、納得がいくまで問い合わせ、話を聞きましょう。
- 高単価につられて応募したけれど、実際はほとんど稼げなかった
- 発注者の求めている文体と、こちらの思っていた文体が違って、すべてやり直した
- 空き時間で稼げるはずが、発注時間がバラバラで、普段より忙しくなってしまった
この3つは特によく聞く話です。某テレビ番組でも、クラウドソーシングの問題点として取り上げられていたことがあります。
より良い生活のためにクラウドソーシングを始めたのに、辛くなってしまったら本末転倒です。自分の身を守る意味でも、不安なことやわからないことは、受注前に聞くクセをつけましょう。
恥ずかしがる必要はありません。そこで逃げてしまうような発注者であれば、しょせんそこまで。
返信が遅かったりあやふやな返答だったりするようであれば、切ってしまう強さも必要です。
評価を過信しすぎない。違う分野には慎重に!
クラウドソーシングサービスには、自分がどんな案件を引き受け、どのような実績を残したかがわかる『評価システム』があります。
当然、評価が高いほど優秀な受注者として見られますし、良いプロジェクトを優先的に紹介してもらえることもあります。
しかし、この評価=自分の実力、と鵜呑みにするのは少々危険です。
基本的に、この評価制度は発注側と受注側がそれぞれ評価をつけるシステムになっています。プロジェクトが終わった段階で、「とても良い発注者でした」「腕のある受注者でした」という具合に評価をし、それがサービス上に公開されます。
公開されるわけですから、どちらも慎重になります。こちらが悪い評価をつけたら、相手も返してくるかもしれない。それなら少々難があったとしても、このまま良い評価で終わらせた方が良い…。
そんな理由で『良い評価』をつけるのが暗黙のルールになっている雰囲気も、少なからずあるわけです。
しかし、自分の高評価を過信し、大きなプロジェクトを次々引き受けてしまった知人がいます。
結果、今まで書いたことのない分野にも手を出し、「使い物にならない」と切られてしまったそう。
当然評価も下がりますし、本人の自信も失われてしまいました。
新しい分野に挑戦すること自体は、決して悪いことではありません。
ただ、評価はあくまでサービス上の評価です。過信して「自分は優秀!なんでもできる!」と突っ走らず、冷静に自分の実力を判断していきましょう。
その発注者、実在する?怪しい勧誘には気をつけて!
「突然発注メールが来た。おいしい話だけどなんだか怪しい…」その場合、おそらく90%くらいは本当に怪しい人たちです。
クラウドソーシングサービスを悪用し、ビジネス勧誘や宗教勧誘、女性に対してはアダルト勧誘を行う業者も存在しています。
もし発注者が社名を名乗っているなら、必ず社名を検索しましょう。所在地や事業内容が伝えられていた情報と大幅に違っている場合や、そもそも存在しないケースもあります。
以下は、筆者に届いた勧誘文のひとつです。
○○様のライティングの力をお借りして、電子書籍のご紹介、外注をさせていただきたいです!
0から書くわけではなく、ネットや書籍の内容からかいつまんで書いていく形となり、15000字ほどで1冊分であるため短時間で仕上げることができます。
内容もお好みで選べるので、○○様の専門分野について書いていただけます。かなりの高収入も狙うことができます。
もしご興味持っていただけましたら、○○様と一度カフェ等でお会いしてお話をしたいです。
場所は○○か○○で考えています。電子書籍のノウハウもお伝えできます。
ただし3人限定としていますのでお早目のご返信をお待ちしています!
この文章、突っ込みどころは多々あるのですが…。高収入や仕事のラクさ、限定という言葉などに目がくらんでしまわないように気をつけてください。
「繋がりを増やす感覚」での利用がオススメ!
あくまで筆者の経験談ですが、「稼ごう!」と意気込むより、「さまざまな人と繋がりを持とう!」という気持ちでクラウドソーシングを利用する方が、最終的に稼げる気がします。
クラウドソーシングでは、一つのプロジェクトを完成させるまで、本当に多様な人と関わることができます。これはクラウドソーシングならではのメリットです。
「この人のデザイン、好きだな」「魅力的な文章だな」そう思ったら、積極的に個別チャットなどで連絡を取ってみましょう。クラウドソーシングの世界は広いようで狭いですから、共通点が見つかったり、新しい仕事を紹介してもらえたりします。
実際に、筆者も最初のプロジェクトで仲良くなった人から仕事をもらい、その仕事で別の人から紹介され…と、繋がりだけで稼ぐことができました。自分で仕事を取りに行ったことはありません。
クラウドソーシングでの『仕事』には、顔を合わせて相談できる同僚はいません。どうしても孤独になりがちです。それをわかり合えるのは、やはりPCモニターの向こうにいる『仲間』なのです。
プロジェクトによってはあまり接点が持てないこともありますが、仕事仲間になれたのも何かの縁。話してみたい人がいたら、自分から動いてみましょう。
また、クラウドソーシングの運営スタッフと仲良くなるのもオススメです。運営スタッフはプロジェクトのまとめ役やパイプになっている場合が多く、気軽に相談できる存在です。自分の特性をわかってもらうことで、仕事を紹介してもらえる機会も増えていきますよ。
次回は、苦手意識を持つ人も多い「クラウドソーシング上での断り方」について、お話していきます。