副業のススメ
前編では、自己投資がオススメで、さらに副業のメリットが大きいというお話をしました。今回はそんな副業のお話です。
副業はとてもお得
副業って「まずはお小遣いを増やす」みたなイメージを持つ人が多いと思います。
それは確かにそうなんですけど、実はもっとお得です。
私の経験を振り返っても、副業をすると、同時にスキルアップや実践的な経営力が身につくのですよね。
そうするとその力が本業でも活きて、昇給だったり、転職だったりにも有利になります。さらには私の知人でも、副業がうまく行きだしてから独立している人は多く、またその多くの人は成功しています。
つまり、副業を行うというのは、直接的なお金を手に入れるだけでなく、その副産物があまりにも大きいです。
しかも副業なので、仮に失敗したとしても食いっぱぐれるわけではありません。
ですから、昨今の副業推奨の波にのらないのはあまりにもったいないわけです。
めんどくさいし、怖い?
とはいえ、副業をやろうと思ったところで、どうやって始めたらいいかわからないし、メンドクサイし、なんとなくプライベートな時間をとられたり、失敗して揉めたりするのが嫌だという人も多いかもしれません。
そこで今回は、「そんな人でも副業を成功させるコツ」をお伝えしたいと思います。
それには、めんどくさがりな「私」の副業体験をお話しするところから始めましょう。
私の副業体験
以前私は、伊藤忠系のIT会社でシステムエンジニアをしていました。
しかし本業でモヤモヤし、さらになんとなく資本主義の行き詰まりや社会の変化を感じていた私は、NPO系の政経塾に入ります。
そこで、島根県の町おこしに関するプロジェクトに参画しました。
具体的には、その塾の講師の一人に、私自身が考えたインターネットを活用した地域通貨のプロダクトを作成してみる?と言われ、その講師が立ち上げた団体にお金を30万円出資頂いたのですね。
当時の私はそれが副業だとは捉えていなかったのですが、今考えて見ると副業の一種に入ると思います。
結果、残念ながらそのプロジェクトは失敗してしまいました。
そもそもめんどくさがりな私は、本業やプライベートの忙しさに飲まれてうまく時間を捻出することができず、良いプロダクトを作ることができなかったのです。
細かい要因として、私が自分自身を買いかぶってしまい、プロダクト制作を行うための工数見積りやチーム編成が甘かったといえますし、そもそもお金をどう使ってよいかもわからず(出張費などに多く使ってしまいました)失敗したともいえます。
どちらにせよ、大変反省しました。
失敗の後
その失敗後、自分の実力を過信せずに、改めてデジハリに通ってインターネットやホームページ制作を勉強しなおしました。
その勉強をいかすべく、少しずつ別プロジェクトのホームページ制作などを無償で手伝ったりしました。このホームページもあまり良い出来ではなかったですが、失敗の経験をいかし、無理のない範囲でデジハリの先生に聞きながら完成させることができ、今度はみんな喜んでくれました。
そうするとその経験も手伝って、インターネットベンチャー企業に転職することができました。
そして、インターネットベンチャーに転職して勉強しているうちに、行きつけの床屋さんから「発注するから独立したら?」と後押ししてもらったことがきっかけで独立に至ります。
失敗しても、将来、他の誰かに還元できればいい
最初に失敗した時、私は出資してくれた団体に「お金を返します。」といいました。
そしたら、その出資してくれた団体の代表は「気にしなくていい。将来、その経験を別の誰かに還元してくれれば、それが一番良い」と言ってくれました。
未だに私は、その失敗を思い出すと辛いですが、その経験からおごらず腕を磨くことができ、はからずも今、この経験をみなさんにお伝えできています。
20代だった当時の私には30万円はとても大きなお金でしたが、失敗したとしても私は死んでいませんし、その団体も変わらず存続しています。
そう考えると、その時人生の先輩だったその団体の代表は、こうなることを予想できていたのかもしれません。
人生とは不思議なもので、失敗こそ何かを掴むきっかけになっている気がします。
小さなところから恐れず副業にトライしよう
今までお話ししたように、仮に失敗したとしても、得るものが多いのが副業です。
私のようなめんどくさがりの人でも、皆さんと同じように自己投資をして勉強する中でうまれた縁から、いろいろ経験を積むことができています。
特にこれからの世の中は、余暇をうまく使っていろいろ稼げる方法がさらに増えます。
仮に失敗したとしても、会社にいる以上死にませんし、失敗の経験は自分や社会への還元にもなります。
ぜひ恐れずに、小さなところから始めてもらえたらと思います。
どの副業から始めるか
さて、じゃぁいざ副業を始めるとしたら、どこから始めるかが悩みますね。
そこで、副業のパターンを列挙してみました。これは私の周りで独立してうまくいっている方のパターンを割り出したものです。
- 自分の職業の延長線上で、個人的に業務を請け負っている
- 不動産投資など、投資業に手を出して資産形成をしている
- 個人ウェブサイト(ブログ)を運営し、アフィリエイトなどを行っている
- いろいろ課外活動に顔を出し、そのまま何らかのプロジェクト(会社)を主宰、もしくは参画している
- クラウドワークスなどで人を雇いマネージメント業で利益を出している
何から始めるか迷う人は、上記の中から一番自分がピンとくるものをやってもらうのが良いと思いますが、アフィリエイト以外、おそらく誰もが悩むのが下記ですよね。
- どうやって発注主と知り合うのか
- どうやって金額を決めるのか
- 契約はどうすればいいのか
- 国への申請はどうすればいいのか
- 稼いだ場合、その後どうすればいいのか
そこで、それぞれ順番にご説明しましょう。
1.どうやって発注主と知り合うのか
これは、知り合いを除外すれば、一言でいえば「セミナー」や「勉強会」「オフ会」が最も熱いです。
先ほどの例のように、私の副業のきっかけも政経塾に入学したことから始まっています。
私のまわりの人も、だいたいそのパターンで副業が始まっています。
とはいえ「SEO勉強会」などに行ってしまうと、SEOを学ぶだけで帰ってきてしまいますよね。
そうではなく、できれば飲み会付きの気軽なセミナーや勉強会がいいです。
つまり「自分の業界以外の人がいる会。できれば飲み会付き」に参加するとよいです。
一度外に出てみると、意外なほどウェブサイトで困っている人が多いことに気づくことになると思います。
そして、定期的にその会に参加します。そうすると、だんだん仲良くなって、仕事の関係性に発展することも少なくありません。
もしくは、クラウドワークスやランサーズなどのクラウドソーシングサイトで始めるのはもっと簡単ですね。
クラウドソーシングサイトは匿名でできますので、気軽にはじめてみるにはとても良いと思います。
2.どうやって金額を決めるのか
さて、いざ受注するとなると、金額を決めるのに悩むと思います。
最終的に価格戦略というのはマーケティングそのもので深い領域です。普段、皆さんが業務で勉強しているところが活きると思います。
とはいえ、はじめて副業をする場合は、一般的な市場価格にあわせるのがわかりやすいですね。
クラウドワークスやランサーズなどのサイトを見ると、だいたいの価格帯はわかると思います。
その価格帯でうけてもいいですし、逆に新しい価値を提案して価格をあげてもよいでしょう。
失敗を恐れずに(とはいえあまり無理のない範囲で)稼働時間を計算してやってみるのがよいと思います。
今なら一週間で3時間くらいは作業できるかな、という感じですね。
最初は無償からでもOK
新しく知り合った人から「お金を払うからやってくれない?」と言われた場合は、お金をもらって始めてもいいですし、あえて無償にするというのもよいでしょう。
なぜかというと、知り合いの人の案件というのは、特に相手にITリテラシーがない場合、あとから揉めやすいのです。
社内よりもコミュニケーションのロスが多く発生し、相手の期待が大きすぎる上に丸投げになってしまい、受注した側が少ないお金ですごく働かなければいけないケースも多いです。
それも勉強といえば勉強なのですが、あえて「あまり時間がとれないから無償の範囲で手伝うね。途中でできなくなるかも知れないけど。。」といって手伝えば、双方ともに無理なく進められますし、辛くなったら途中で辞退することもできます。
うまくいったらご飯くらいはご馳走してくれると思いますので、無償だったとしても自信と経験を積むことができます。
実際、私もさきほどお話したように、最初の副業で失敗したあとは、無償でホームページ制作を手伝っています。そしてその経験が次にいきています。
成果報酬と言われたらどうする?
成果報酬と言われたら、まず断ることを前提にしてください。
私の経験や、周りの人と話し合ってもそうなのですが、成果報酬は、少なくとも支払う側に金銭的余裕がないとうまくいきません。
お金がないから成果報酬を提案するのでは?と思われるかもしれませんが、そうではないのです。
成果報酬は、ビジネスが成功しないとうまくいかないモデルですが、そもそもビジネスというのはオーナーに成功経験がないとなかなかうまくいきません。
その面で、最初から金銭的余裕がある人は、たいていビジネスでの経験があり、そういう人なら成果報酬でもうまくいく可能性があります。
一方、どれだけ有名な賞をもらっているビジネスアイディアだったとしても、オーナーが未経験の場合、うまくいくかどうかは別です。
むしろうまくいかないことの方が多いですし、お金に余裕がないと、仮にうまくいってもお金をケチられる可能性もあり揉めやすいです。
私も初期で成果報酬で4案件ほどやったことがありますが、うまくいったのは金銭的余裕があるオーナーとやった時だけです。
気をつけましょう。
3. 契約はどうすればいいのか
契約書は、一般の請負契約だろうと、成果報酬だろうと、基本的に結んだ方がいいです。
覚え書き1枚でもいいので、双方合意した履歴を残す癖はつけましょう。
少額なのにわざわざ契約書を作るのも大変だし、相手も不快に思うかな、という場合は、あえて作らない場合もあります。
その場合は、ひょっとすると痛い目にあうこともありますが、それも含めて死ぬわけではないですし、経験を積むというのもアリです。
とはいえ、双方の合意を残しておくというのは思ったよりも大切です。
契約書はインターネットでひな形を探せばいくらでも出てくるので、そちらをひな形に作るようにしましょう。
「お互いに最初話した内容を覚えておくために」といえば、ほとんどの人が不快には思わないはずです。
なお印紙をはる必要があるかどうかを悩む方もいらっしゃるかもしれませんが、実は印紙は納税義務の問題であって、契約の履行不履行の問題とは関係ありません。
基本的に契約事項というのは、双方が合意した履歴が残っているかどうかが大切で、そのために押印やメールなどで履歴が残っていることを問われます。
今はオンライン上で契約書を締結するサービスもあり、その場合、印紙は不要なことが多いです。
4. 国への申請はどうすればいいのか
基本的に、何かしら副業で収益を得る場合、特に国に事前に提出すべき書類はありません。
つまり、明日からすぐに始めたとしても違法ではないです。
とはいえ、収益を得るということは、基本的に納税の義務が発生するので、その面は考慮しておく必要があります。
また契約を結ぶとなると、契約の主体を個人にするか法人にするか、という問題も発生します。
副業の場合で、いきなり法人化をするメリットはほぼなく、コストもかかりますので、法人化は考えなくてよいでしょう。
あとは、個人事業主にすべきかどうか悩む人もいますよね。
個人事業主になるメリットは、費用を計上できること、屋号が使えること、および財務など経営者としての経験を積めることです。
一方デメリットは、申請がめんどくさいということ以外は、特にありません。
まず始めてみたいと思う人は、特に個人事業主にはならなくてもよいと思います。
ただ、せっかくの機会なので、経験を積むという意味では、ある程度副業をやってみたらぜひ申請してもらえればと思います。
より経営力を身につける役に立つはずです。
個人事業主ってどうやったらなれるの?
個人事業主になるには、税務署に行って開業届を出すだけです。
この時、白色申告か、青色申告かを選ぶことができます。
青色申告にすると、提出する決算関係の書類が増えますが、その分、青色申告控除を使うことができます。
控除とは、利益から差し引くことのできる金額のことです。
会社員時代はあまり意識しないのですが、事業主として税務署に申請するようになると、事業の利益に税金がかかることを理解します。
そして、思ったよりも利益にかかる税金が高いことを肌身で感じると思います。そこで、多くの会社は経費やさきほどの控除を活用し、節税を行ったりしています。
経理によほど自信がなければ最初は白色申告がよいと思いますが、勉強と考えるならば青色申告を選んでもよいと思います。
このあたりは開業方法のサイトを読んだり、本を買ってやってみるとよいでしょう。
あまり深く考えて行動できないよりは、どうせ申請するだけですし、まぁ失敗したとしてもよい経験と考えてやってみることをオススメします。
その経験だけで、下手に経営者セミナーなどに数万円から数十万円払うよりはるかに価値のある経営の勉強ができます。しかも、副業でお金を得ながらできるのです。
5. 稼いだ場合、その後どうすればいいのか
最後に、稼いだ場合の後処理についてお伝えします。
まず作業後は、たいてい口座をお伝えすれば振り込んでもらえます。
次に納税ですが、確定申告を行う必要があります(20万円以下であれば一般的には必要ないなどがありますが、ここは勉強を重視してぜひ申告を行いましょう)
会社員でも個人事業主でも、確定申告は12月31日で締めて、2019年は2月18日から3月15日まで(年によって変動あり)に書類を提出しなくてはなりません。
ぜひ本を買って勉強されることをオススメします。
また、できればMFクラウドやFreeeなど、なんらかの会計ソフトを試してみるとよいと思います。
確定申告の作業が格段に楽になり、かつ勉強になります。私のオススメはFreeeです。
基本的に納税をしっかりすれば、副業したからとはいえ、それ以外にするべきことはありません。
副業成功のコツ
ここまでお話してきて、だいたいの副業開始のイメージがつかめたと思いますので、最後に副業成功のコツを。
失敗するパターンは?
最初に、失敗パターンについて考えてみます。
とはいえ、私の失敗経験からもわかるように、失敗は成功のもとでしかありません。失敗した方が次に活かせるぶんラッキーとすらいえます。
しかし、そう考えられるのは「本業」がうまくいっているからです。
そういう意味では「本業は死守する」というのが大切です。したがって、会社規定に背いて副業をするというのは止めましょう。
もし副業禁止の会社があったとしたら、その方はアフィリエイトか投資がオススメです。副業に厳しい公務員で、不動産投資をやっている方を知っています。
また「今の人間関係を極力壊さない」というのも大切です。
そのためにも、副業では契約書をうまく活用し、極力もめ事を減らしましょう。
かつ、うまく稼いでも、なるべく今の周りの人に伝えるのも控えましょう。よからぬ嫉妬などで会社の中での立場が危うくなることもありますので。
成功するパターンは?
成功しやすいパターンは決まっています。
今まで勉強してきた延長線上の仕事を行う、楽しいことを行う、大きな投資をしすぎず小さくはじめる、の3つです。
ぜひ心がけてもらえたらと思います。
最後に
独立してうまくいっている人も、たいてい副業から始まっている。
よく考えてみると、私の周りの起業家でうまくいっている人って、半分くらいは独立前に副業をしている気がします。
なぜかと考えてみると、やはり経験を積めること、そして自分の実力を真摯にテストできることが大きいのではないかと思います。
テストした結果、私のように全く実力が足りないと感じることもあれば、いきなりうまく行く人もいるでしょう。
どちらにせよ、副業をする中で「自分の中の『何に』市場価値があるのか」「自分に何が足りないのか」に気づくことができれば、仮に独立を考えても成功確率はぐっと高まります。
気軽に副業をはじめてみよう。
副業をするというのは、お小遣いが増えるだけではありません。
そのお小遣いを投資にまわして資産を増やすこともできるし、得た経験を本業に還元することで副次効果も期待できます。
独立を考える人には、その前の経験作りや人脈作りにもなります。
その一歩目は、勉強会に参加したり、ウェブサイトを作り始めたりと、とても小さなところから始まるのに、その効果はとても大きいです。
せっかくウェブ担当者通信で知識を得ていると思いますので、ぜひ副業で腕を磨いてみることをオススメします。
興味がでた人は、今日からクラウドソーシングサイトをチラっとみて、興味がある案件がないか眺めてみましょう。
自分に信頼をつけるために
前編で、自分に信頼をつけるための自己投資のお話をしました。
今回お話しした副業は、その方法として、一石二鳥以上の優れているものです。
ぜひ今まで学んだことを机上の空論にしないためにも、副業を活用し、実力と信頼をつけながら、さらにお金をもらいながらやってみてください。
そして、悩んだ場合には、新しくはじまるウェブ通のウェブコンサルサービスをせひ活用してください。
事務局メンバーは副業においても少し先輩なので、泥臭いことでも細かくアドバイスできると思います。
それでは、新しいサービスでお会いしましょう!