前回は、クラウドソーシングの魅力を発注側・受注側の視点からお伝えしました。同時に、顔を合わせてやり取りする機会が少ないため、ミスマッチが起こりやすい難しさもお話しました。
今回は、ミスマッチを防ぐために行いたいことを、発注側目線でご紹介していきます。
先にイメージを伝えることが最重要!
発注する際には、読みやすく、案件の内容が伝わりやすい文章にするのは当然のことです。
今は発注テンプレートを用意しているクラウドソーシングサービスも多いので、報酬や〆切など、最低限の情報はテンプレートに沿えば伝えられるでしょう。
重要視したいのは、『自分のイメージを明確にすること』です。たとえばライターに、住宅に関するノウハウ記事を書いて欲しいとします。
ここで「住宅に関するノウハウ記事を依頼したい」と言うだけでは、受注側には伝わりません。
- 初めての一人暮らしを考えている若手層に向けた、住宅選びのノウハウ記事
- 住まいの老朽化に悩んでいる中年層に向けた、住宅リフォームのノウハウ記事
この2つはあくまで例ですが、どちらも『住宅に関するノウハウ記事』ではあるものの、色が大きく違ってきます。
発注者の中には、そこまで詳しく説明しなくても伝わるだろうと考えてしまう人もいますが、それこそがミスマッチの原因です。
自分の手間を減らすためにも、誰をターゲットにした、どんな内容の記事を依頼したいのか、明確にしましょう。理想の文体が決まっていれば、それを発注時に記載しておくことも大切です。
業界経験より、その分野に特化しているかを見よう!
先ほど例えた『住宅に関するノウハウ記事』を募集し、執筆を希望するライターが2人集まったとしましょう。
1人はライター経験が非常に長く、ライティングのコツはすべて掴んでいます。
もう1人はライター経験こそ浅いものの、不動産業界に長年勤めていた経験があります。
この場合、あなたはどちらを採用しますか?筆者は迷わず後者を採用します。その理由は、『ライター経験』だけでは戦力にならない場合が多いからです。ライター経験が長い方にどんな記事を書いてきたか聞くと、ほとんどの場合は何かに特化しています。
たとえば「飲食ブログ」「恋愛コラム」「スポーツ」「芸能ゴシップ」「転職ノウハウ」など、誰しもそれぞれ得意分野があるわけです。
長年飲食ブログの記事を得意としてきたライターが、住宅に関する記事をすぐに書けるかというと難しいものがあります。もちろんライター経験が長く、住宅への知識も深い方が見つかればベストですが、「ライター経験が長いから何を頼んでも大丈夫」という考えは捨てた方が良いでしょう。もちろんライターだけでなく、デザイナーなどに頼む場合も同様です。
受注者はココを見ている!上手な発注のコツ
発注する際のちょっとした豆知識ですが、高単価を打ち出すとミスマッチしやすい傾向にあります。
「とりあえず稼げたら良い」という人が、詳細を読み込まずに応募してしまうパターンです。とりあえず、で応募した人の情報に一つひとつ目を通していくのは労力を使いますから、やたらと高単価で引き寄せようとするのはナンセンスです。以下に例を挙げます。
- 件名:【高単価○円】急募!誰でもすぐに稼げる!○○のライター募集
- 件名:【急募】○○専門のライター○名募集!○○の知識がある方歓迎
クラウドソーシングの発注文章では①に近いものをよく見かけますが、あまり効果的ではありません。同じ文字数でも②には具体的な情報が詰まっているため、欲しい人材とマッチしやすくなります。情報が明確であるほど、受注側にも刺さりやすいのは当然のことです。
では、本文の例を見てみましょう。
①○○のライターを募集しています!調べて書くだけなので難しいことはありません。○○などのメディアにも掲載できますし、歩合もあります! 興味があればぜひ○日までにお返事をください。詳細をお伝えします。
②○○さん、初めまして。○○会社の○○と申します。 ○○さんのプロフィールを拝見し、ぜひ○○の専門記事をお願いしたくご連絡いたしました。 ○○などの基礎知識は必要になりますが、○○さんの実績であれば問題ない内容かと存じます。わからない点は調べたり、たずねたりしていただいて構いません。 報酬/○○円(○日締め、○日支払い)※実績に応じて歩合あり 期間/○○・・・
これは①が悪い例だとすぐにわかりますね。
プロジェクトにより口外できないこともありますが、「詳細が知りたければ連絡してください」というスタンスで仕事を頼むのは効率的ではないです。
受注側が怪しいと感じてしまうだけではなく、結局「知りたい」と問い合わせてきた人に逐一連絡をしなければいけないわけですから、発注側としても非効率です。
直接顔を合わせていないからこそ、できるだけ詳細な情報を記載し、安心してもらうことが大切です。受注者は想像以上にたくさんの発注依頼を受けていますので、手を抜くとすぐに見抜かれてしまいます。ご注意を!
次回は視点を変え、受注する際に気をつけたいことをご紹介していきます。