ハリルホジッチ監督解任のニュースを見て思ったことを、このタイミングでうだうだと。
今年のシーズンのバイエルン・ミュンヘンは監督のカルロ・アンチェロッティを途中で解任しました。
事実としてカルロは5人の選手をもはやコントロールできていなかった。キングスレイ・コマンに関してもそうだ。状況を改善不可能なものにしてしまった。監督の立場で、最も重要な選手たちから敵対を受けることなどあってはならない
アンチェロッティはいかにしてバイエルンの愛とサポート、そして職をなくしたのか? | Goal.com
こちらでも選手と対立して解任されています。今回の件に似ていますよね。
違うことが1つだけ。
それはチャンピオンズリーグの試合などで負けたことがきっかけだったということ。
“勝利が求められる試合で負けた”ということなんです。
ハリルホジッチ監督は予選を突破していて、負けたのは親善試合ということ。勝利が求められない試合で負けたのに解任されるというのは、ちょっとおかしいですよね。
内紛ってのはわかりやすい解任理由にはなりますが・・・。
そもそもサッカーにおける監督とは何ぞや?ということも考えてみましょう。
広辞苑では・・・と説明してもわかりづらいので、名監督の言葉から監督という職業をみてみましょう。
1974年のオランダ代表は“機械仕掛けのオレンジ”と呼ばれていました。トータルフットボールという、現代サッカーの原点ともいうべきスタイルを確立していて、今でも最強のチームといわれるほどのチームです。“フライングダッチマン(空飛ぶオランダ人)”といわれた、ヨハン・クライフが中心選手で、W杯で準優勝しています(優勝は皇帝ベッケンバウアーの西ドイツ)。
このチームを率いていたのがリヌス・ミケルス。そのリヌス・ミケルスがこう言っています。
ルール1「監督の言うことはいつも正しい」
ルール2「監督が間違っていても、ただちにルール1が適用される」
監督が全責任を負っているんだから、選手は文句を言わずにそれに従えということです。文句がある選手は使わない。単純な理論。
今から40年以上前の言葉とはいえ真理だと思いますし、これはサッカー界に限らずスポーツの世界では一般的な考えかと思います。
プロサッカーの場合は勝つことが目的です。J2残留が目標だったとしても勝たないことには残留ができません。ですから、みんな仲良く元気よくってわけにはいきません。能力があっても足を引っ張る選手がいればダメですし、協調性があってもサッカーがへたくそではダメです。
こんな選手しかいないから、このあたりを目指そうってことはほとんどありませんし、あったとしても半年とか1年ぐらいの話。選手は目標のために常に入れ替えられてしまう存在だということ。
閑話休題
サッカーに詳しい人はオランダ代表といえば内紛ということも知っていると思います。コラム:なぜオランダとフランスは内紛を起こすのか | Goal.com
今回はこれを避けたかったんかな~と思いますが、「一部の選手から不満が・・・」という理由で解任したのなら、そういったことがなかった人を選べばいいと思うんですよね。
絶対的な権力を持っていると思われている監督ですが、監督の間ではこんなことも言われています。
選手がいないと試合ができない。審判がいなくても試合ができない。しかし、監督がいなくても試合はできる。
監督という仕事はこれほどにはかないというか、不安定というか、何の保証もない仕事なのですね。そのリスクを取ってまで監督をやっているのであれば、ミケルスの言葉の意味も分かります。
責任を負うかわりに権限も持つ。しかし、結果が出なければサヨウナラ。
だから個人的にはこう思っているんです。
監督のサッカーに不満があれば代表を辞退すればいいんじゃないかと。
今のサッカーはビジネス色が加速しているのでスポンサーとの契約だったり、お金の話もあってなかなかそうはいかんと思いますけどね・・・。
このサイトはウェブ担当者通信なので、ウェブ担当者の皆さんが読んでいることと思います。
皆さんに言いたいことは「責任を背負っている人の考えは責任を負ってみないと分からない」ということです。
監督や社長の文句を言わないでください。彼らは責任を負って判断をしているんだから、それを実現するために努力するしかないでしょう。その判断に不満があるのなら離れるしかない。副業も推奨されている世の中なので、あなたが働く場所は他にあるはずです。
何かを言うのなら堂々と意見を言いましょう。そして、自分でそれを実行して結果を出せばいいだけのことです。
責任を持つ者と持たざる者は、自ずと役割も判断も異なるということです。