静的LPをとりあえずWordPressに対応させる方法 FavoriteLoadingあとで読む

: フジダイ
静的LPをデザイナーに依頼して新たに作成したとき、既存のWordPressに取り込むための手順を解説します。ソースコードの編集をしますが、基本的にはコピー&貼り付けの作業です。

サイトをWordPressで運用していても、広告用のLP(ランディングページ)はデザイン重視でHTML形式のままでサイトに掲載していませんか?
リライトしたりボタンのテキストを変更したいときに、WordPressで修正できたら便利なのになーと思うことはありませんか?

ウェブ担当者通信を運営しているウェブジョブズでも、広告用のLPはHTML形式で納品されることがほとんど。
近ごろはQAアナリティクスを利用しているので、LPがWordPress化されていればユーザー行動を簡単に確認できるのに!
WordPressなら、ふだんHTML編集ソフトを使わないスタッフでも、ちょっとは修正できるし…。
そこで、HTMLで作成された静的LPをとりあえずWordPress化して掲載しています。

HTMLとCSSの知識、FTPは必要ですが、基本的にコピー&貼り付けでできる作業です。

QAアナリティクスとは
タグ不要で簡単に導入できるアクセス解析&ユーザー行動分析のWordPress公式プラグインです。
ヒートマップやセッションリプレイも見ることができるので、ページ単位で分析を行いたいランディングページでは特に使いたいWPプラグインです。

1. HTMLで作成された静的LPをWordPressで表示したい

※2024年2月11日追記

余談ですがWordPress公式ツールの作成が検討されているようです。早く進んでほしいですね。

github.com/WordPress/data-liberation/blob/trunk/guides/html-to-wordpress.md

静的LPをWordPressで表示させるために、固定ページ用の独自テンプレートを作成します。
独自テンプレートの作成は、主に2つの方法があります。

  1. HTMLすべてをテンプレートで作成する
  2. コンテンツ部分はWordPressのカスタムHTMLで作成する

QAアナリティクスのサイトを例にすると
丸わかりQAマンガ」はすべてをテンプレートで作成、「機能・プラン」はカスタムHTMLで対応しています。

元のHTMLの構造や運用から、どちらにするか検討してください。

1-1. すべてをテンプレートで作る方法

複雑なHTMLや編集の予定がないページにおすすめ
QAアナリティクス「丸わかりQAマンガ」のページは、メインが画像でデザイン重視、HTMLやCSSも細かく設定してありほとんど編集しないので、すべてをテンプレートで作成しています。

【メリット】
ほぼ丸ごとコピーするだけなので簡単
Dreamweaverなどソフトを使って修正できる

【デメリット】
あとで修正をするときにもテンプレート(PHP)を編集する

1-2. 固定ページのカスタムHTMLで対応する方法

同じテンプレートで複数のLPを作成するときや、ときどき更新のあるページにおすすめ
QAアナリティクス「機能・プラン」のページは、機能が拡張され編集の予定がある、また他のページでもコンテンツを流用するので、カスタムHTMLで作成しています。

【メリット】
同じテンプレートでもコンテンツを変更できる
WordPressの機能も使える

【デメリット】
レイアウトできる範囲がやや制限される
修正はWordPressのカスタムHTMLでコードを編集する

2. 固定ページ用の独自テンプレートを作成するために必要なもの

静的LPをWordPressで表示させるために、まずLP用固定ページの独自テンプレート作成します。 HTMLをほぼそのままPHPで保存ですが、WordPress化に必要なコードを追加します。
テンプレートを作成するために、編集ソフトがあると便利です。

必要なもの

  • HTMLデータ、画像データ一式、スタイルシート、jQuery(使用している場合)
    静的LPのデータが一通りそろっていることを前提としています。
  • FTPソフト
    作成したPHPファイルや画像などをサーバーにアップできる環境。
  • HTML、PHPが編集できるソフト
    コードで編集できるソフト。私はDreamweaverを使っています。

LP用固定ページの独自テンプレートを作成する準備ができたら、さっそく静的LPをWordPressで作っていきます。
2つの方法の手順をまとめています。

3. ページのすべてをテンプレートで作成する手順

HTMLをまるごとコピーして、テンプレートを作成します。
テンプレートをアップロード後は、テーマエディターで編集できます。

3-1. 新しいテンプレートを用意する

HTML編集ソフトなどで新規ファイルを作成します。ファイル名を付けて保存してください。
名前の付け方は「page-任意の文字列.php」です。
任意の文字列には後から見て分かりやすい名前を付けます。
ここでは仮に「page-lp01.php」とします。

3-2. テンプレートの名前を付ける

「page-lp01.php」の最初に、テンプレートの名前を付けるコードを入力します。
WordPressで固定ページを作成するときに表示されます。日本語でもかまいません。

<?php
/*
Template Name: ここにテンプレートの名前
*/
?>

3-3. HTMLをコピーする

表示させたいHTMLデータのソースを全選択してコピーし、先ほどの「page-lp01.php」に貼り付ける。

3-4. ヘッダーとフッターを追記する

コピーしたHTMLの「</head>」の前の行に「<?php wp_head(); ?>」を追加。
<?php wp_head(); ?>
</head>
「</body>」の前の行に「<?php wp_footer(); ?>」を追加。<?php wp_footer(); ?>
</body>

3-5. 依存ファイルを任意の場所に保存し、リンクを設定する

画像、CSS、JSなど、必要なデータを適当な場所へ保存します。
WordPress使用中のテーマ内が便利です。

例えば、使用中のテーマ内に「lp01-image」フォルダを作り、画像を保存した場合。

画像のフォルダのURL: https://あなたのサイト/wp-content/theme/使用中のテーマ/lp01-image/

page-lp01.phpにコピーしたソース内で画像などへのリンクを再設定します。

<img src="image/mainphoto.png">
↓下記に変更
<img src="https://あなたのサイト/wp-content/theme/使用中のテーマ/lp01-image/mainphoto.png">

編集ソフトの置換機能でまとめて変更すると簡単ですね。
CSSやJsも同様にリンクを再設定してください。

3-6. テンプレートのPHPと依存ファイルをサイトにUP

テンプレート(page-lp01.php)と依存ファイル(画像、CSSなど)をFTPで、WordPressの使用中のテーマへアップロードします。

3-7. 固定ページにテンプレートを設定する

WordPressで固定ページを新規作成します。
設定で、固定ページのテンプレートから先ほど作成したテンプレートを選びます。
上記3-2で設定した「ここにテンプレートの名前」部分が表示されているはずです。

固定ページを保存し、テンプレートで作成した静的HTMLが表示されているか確認してください。
画像やスタイルがうまく表示されない場合は、リンクを確認してみてください。

4. 固定ページのカスタムHTMLで作成する手順

コンテンツ部分をWordPressで編集できるようにします。

4-1. 前項と同じ手順でテンプレートを作成する

前項(3-1~3-7)と同じく、ページのすべてをテンプレートで作成し、固定ページの設定をします。

4-2. テンプレートの本文をWordPressにコピー

WordPressで編集したい部分を、テンプレートのPHPからコピーします。
<body>の間や、ヘッダー・フッターの間など、区切りの分かりやすい部分がおすすめです。

WordPressの固定ページにカスタムHTMLのブロックを追加し、先ほどコピーしたPHPを貼り付け、保存します。

4-3. テンプレートのPHPにコードを追加する

テンプレートで先ほどコピーしたHTML部分を削除し、固定ページの内容を表示させるコードを追加します。

<?php the_content(); ?>

テンプレートの<title>タグもPHPに変更します。
固定ページのタイトルが表示されます。

<title><?php wp_title(); ?></title>

※テーマによってはfunction.phpで、タイトルを出力するように設定されています。
function.php内に「add_theme_support( ‘title-tag’ );」の記述があれば、テンプレート内の<title>タグは不要です。(分からなければスルーしてOK)

テンプレートのPHPを保存し、サーバーにアップロードします。
固定ページを表示し、テンプレートのデザインとコンテンツが表示されているか確認してください。

5. 追加の設定

ほぼ丸ごとコピーで対応できますが、ちょっと追加しておきたい設定を追記します。

OGPやアナリティクスの設定

SNSで表示させたい画像や、Googleアナリティクスのタグなど、静的LPには設定されていない場合があります。
WordPressテーマのヘッダー用プレート(header.php)から必要な部分をコピーして貼り付けると簡単です。

URLをPHPで呼び出す

画像へのリンクなど、WordPressのURLはphpで呼び出すことができます。
URLをPHPに置き換えます。

・テーマのURLを呼び出す場合

https://あなたのサイト/wp-content/theme

<?php echo get_template_directory_uri();?>

・子テーマの場合

https://あなたのサイト/wp-content/theme/使用中の子テーマ

<?php echo get_stylesheet_directory_uri(); ?>

たとえば、テーマの中に画像フォルダ「lp01-image」を作成し、画像「mainphoto.png」を保存した場合

<img src="https://あなたのサイト/wp-content/theme/使用中のテーマ/lp01-image/mainphoto.png">

<img src="<?php echo get_template_directory_uri();?>/lp01-image/mainphoto.png">

となります。

テンプレートのPHP内で使用できますが、WordPressのカスタムHTMLでは使用できないので気を付けてください。

カスタムフィールドでCSSを設定する

外部リンクでCSSを読み込んでもいいのですが、ちょっと修正したいときにWordPressだけで編集できると楽ですよね。

WordPressで固定ページ編集画面の下に「カスタムフィールド」があります。
カスタムフィールドにCSSを追加して、この固定ページのみにCSSを適用させます。

まず、テーマのfunction.phpへ、カスタムフィールドにCSSを追加するコードを記載します。

※ご注意
functions.phpの編集はWordPressの動作に影響が出ます。
必ずバックアップを保存してから作業してください。

/* 独自 CSS を適用 */
add_filter( 'wp_get_custom_css', 'add_custom_css' );
function add_custom_css( $css ) {
if ( is_singular() ) {
if ( $custom_css = get_post_meta(get_the_ID(), 'css', true ) ) {
$css .= $custom_css;
}
}
return $css;
}

固定ページのカスタムフィールドで、名前「css」を選び、「カスタムフィールドを追加」します。
上の段に「css」のカスタムフィールドが追加されます。
cssの「値」欄に、HTMLのcssをコピーして貼り付け、カスタムフィールドを「更新」します。

カスタムHTMLを分割

コンテンツをWordPressのカスタムHTMLで作成した場合、長いHTMLがひとつの欄にずらずら書いてあると、修正したい箇所を見つけにくくなります。
段落やパートに分けて、いくつかのカスタムHTMLブロックを作成すると管理がしやすくなります。

CSSの確認と調整

既存のヘッダー、フッターを使用し、コンテンツ部分のみカスタムHTMLで作成する場合もあります。
静的LPのCSSと既存のCSSで同じclass名を使っていると、既存のヘッダー、フッターのレイアウトが崩れてしまいます。
静的LPのclass名を変えるなどして、調整します。

まとめ

静的LPをとりあえずWordPressで表示させる方法。

  1. 固定ページのテンプレートを作成し、テンプレート名を付ける
  2. HTMLを丸ごとコピーし、WordPressのヘッダー・フッターを追加する
  3. WordPressで固定ページを新規作成し、テンプレートを適用する

大まかな手順は以上です。
ソースを編集するので、見慣れていない方は一瞬戸惑うかもしれませんが、コピー&貼り付けだけの単純な手順です。

表示されない場合は、画像やCSSのリンクが正しいか確認してください。
画像へのリンクが一番手間のかかる部分かもしれません。
画像はできるだけ同じフォルダにまとめるなど、分かりやすく管理すると作業しやすくなります。

静的LPをWordPress化すると、QAアナリティクスでの計測にも自動的に含まれます。
QAアナリティクスは、インストールするだけで使える設定不要のWordPress公式プラグインです。
アクセス解析も他のページと同じく簡単にできるようになりますね。

フジダイ
この記事を書いた人: フジダイ

デザイン系の業務あれこれ担当。
WEBデザイン、コーディング、PHP修正、画像・動画作成、チラシ・パンフレット等の印刷物作成など。
島根県出身。日本酒が好き。