キュレーションメディアやオウンドメディアなどのコンテンツ記事中心のサイト溢れている現在。ウェブ担当者にはプログラミングやデザイン知識以外にも、ライティングスキルの向上が求められています。
オウンドメディアなどコンテンツ中心のサイト運営者でなくとも、ディレクターはライターに頼んだ文章を精査する必要があります。文章の良し悪しを判断し編集業務を行うにはライティングの知識は必須。ときにはコンテンツ記事を自分で書く場合もあるかもしれません。
また他にも自社サイトでの情報発信やSNSの更新作業、メールでのクライアントや外注さんとのとのやり取りだってライティング業務のひとつです。
基礎的なライティング知識がなければ、良質な記事をつくり続けることも、サイトを維持運営することも難しくなってきています。
だからこそ、ウェブ担当者には文章術の基本を学んでほしいのです。
12歳に向けて書く
「ライティング」というワードが先程から出ていますが、ライティングとは簡単に言うと文章術のことです。
もしかすると「物を見やすくするために光を当てる」意味での、ライティングを想像された方もいらっしゃるかもしれません。特にECサイトに関連する業務をされている方はそうかもしれませんね。
まぁそれは置いておくとして、先にも述べましたがいまのウェブ業界はメディア系のサイトが数多く存在します。その結果、企業サイトでもコンテンツ記事の価値が向上しており、担当者のライティングスキルがその成否のカギを握っています。
コンテンツ記事の文章は相手にわかりやすく伝えるというのが基本中の基本。では相手にわかりやすく伝えるとは、どういうことなのでしょうか?
私がライターとしてデビューした当時、校閲・校正さんから教わった言葉があります。それは「12歳の子が読んでも理解できる言葉をつかって文章を書きなさい」です。
ある程度の基礎的な漢字や言葉を覚えた12歳の子に伝わる文章であれば、誰にでも伝わる。あぁなるほどと腑に落ちたのを覚えています。
専門的な内容を含む文章ほど、難しい言葉や漢字をつかって説明したくなってしまいがち。しかし読み手が必ずしもあなたがあつかう分野に詳しいとは限りません。
業界では当たり前に知られている製品名や事柄も、知らない人たちからすれば「は?なにそれ?」状態。誰にでも伝わる表現で書くことが読み手への優しさであり、業界を新たに知ってもらうチャンスでもあります。
ウェブ媒体はひと目見て内容がわかることが大事
相手にわかりやすく、というのは「紙」と「ウェブ」でも違ってきます。
紙媒体でのライティングとウェブ媒体でのライティングには、明確な違いがあるってご存知でしたか?
「知ってる。SEO対策が大事ってことでしょ?」とピンときた方、素晴らしい!ハズレです(笑)。
確かにウェブ媒体においてSEOを意識した文章を書くことは大切です。でも今回お伝えしたいのは、もっと基礎的なレベルのこと。
例えばファッションの記事ひとつとっても、無料のウェブであれば2、3記事読んだらサイトから離脱なんてことは日常茶飯事。なんなら1記事読んではいお終いなんてことも。しかしお金を払ってファッション雑誌を買った人が2、3記事で雑誌を捨てるなんてことはありませんよね?
ウェブでは情報を見ることが簡単にできる反面、興味が薄れるとすぐに離れていってしまいます。お金を払って情報を買う紙媒体。対してウェブ媒体はそのほとんどが無料。そのことを頭に入れて記事を書くことが求められます。
わかりやすく、読みやすい。それでいて正確である。これこそがウェブでライティングする場合の基本作法です。
タイトルはわかりやすさ命!ウェブでは曖昧な表現はNG!!
例えばタイトル一つとっても、知りたい情報がすぐにわかるウェブの利点を活かしたタイトルづけを意識しましょう。
例:☓「急成長で話題のA社!成長の秘訣とは?」
○「売上前年比225%!A社の成長戦略に迫る」
他にも「CMで話題のあの商品を紹介!」のように表現が曖昧なものも嫌われる傾向にあります。
そもそもウェブで情報が欲しい時って検索して探しますよね?検索したキーワードかどうかわからない記事よりも、明確にキーワードが入った記事を読みたくなるのは当然のことです。
雑誌とウェブだと情報を得るスピード感が違うということを意識しておくことが大事です。
またGoogleで検索した際にタイトルは全角32文字で表示されます。オーバーすると32文字以上は「……」と表示されてしまいますので気をつけましょう。
ターゲットを絞る
紙の媒体では25~30代前半など大まかなターゲットを設定して記事を書く場合が多いのですが、ウェブに関してはもっと絞ったターゲット設定が必要です。
海外旅行の記事を書くとしても、30代の既婚女性と20代の独身女性ではニーズが違ってきます。どの層に響かせたいのかペルソナ(仮想人格)を設定して書きわける必用があるわけです。
ペルソナについてはウェブ製作者の方であればおわかりになると思いますので説明を省きますが、要は「この記事を読んでくれているあなたのために書きました」と思わせることができれば成功です。
まとめ
紙には紙の良さ、ウェブにはウェブの良さがあります。
紙のクオリティとウェブのスピード感。どちらもライティングには必要なものです。
媒体ごとの違いを知ることで知識が増えていけば、あなたが自身成長し、運営するサイトのコンテンツの質もより良いものへと進化していくでしょう。
今回はライティングの基本と媒体の違いを中心にお話しさせていただきました。次回からはより実勢的なテクニックについてお伝えしていきます。