Webメディアの編集者の仕事について、後半戦です。
前半記事の冒頭でも述べましたが、後編では“編集者になる方法”や”編集者を社内の人間に任せるか外注のプロに任せるか”について書いています。
ラストには生々しいお金の話もあります。知っておいて損はないですよ。
どうすれば編集者になれるのか
「編集者になるには出版業界に入るしかない」。そう思い込まれている方は多いかもしれません。しかし、実際にはそんなことはなく、みなさんが思っている以上に編集者になるための扉は開かれています。
もちろん、そう簡単になれるものでもありませんが、出版業界に入れなかったからといって、編集者になるのを即あきらめることはありません。
ここでは出版業界も含め、編集者になるためのいくつかの方法をご紹介します。
(1)出版社、編集プロダクションへ入る
編集者といえば、雑誌や書籍、漫画などの媒体を思い浮かべる方が多いかと思います(違っていたらすいません…)。
その場合一般的には出版社に入社し、各編集部に配属され編集者への道を歩んでいきます。これは紙であっても電子書籍であっても基本的には変わりません。テレビや漫画などで描かれている編集者像は大半がこのパターンかと思います。みなさんが思い描く編集者像もこのパターンなのではないでしょうか
また多くの雑誌や書籍では、編集作業を出版社内ではなく編集プロダクションが請け負っている場合が少なくありません。
そう、出版社から仕事を請け負う編集プロダクションに入社するのも王道パターンなのです。
ライター・編集者界隈では、編プロ出身の編集者というだけで期待値も高くなります。当然その期待に違わない実力を発揮してくれる方がほとんど。しかし中には、どんな仕事の仕方をしてきたんだ?と首をひねりたくなるような力量の方もいます。それでも編プロ出身というだけチヤホヤされがちなので本人はその事実に気づかず、周りはフォローで余計に忙しくなってしまうなんてことも。これは最近あった怖い話です(あぁ…すいません。思わずグチが…)。
(2)Webメディアの運営会社、コンテンツ制作会社に入る
Web担当者のみなさんには最も身近なところでしょうか。
コンテンツの制作を取り仕切るディレクターは立場上、紙媒体の編集者に立場の近いポジションと言えます。紙とWebの違いはあれど、大まかな流れとしてはそれほど変わりませんが、もちろん違いもあります。紙に比べてWebメディアは速効性が求められるので、紙メディア出身者の方はそのスピード感に面食らうかもしれません。またWebの記事は鮮度とともにその反響が重要視されます。Webメディアの編集者を目指すのであれば一番の近道でしょう。
また紙媒体出身の編集者よりもWebまわりに強く、自分だけでサイト運営ができる方もたくさんおられます。半面、ライティングスキルとしては心もとない方もチラホラいらっしゃいます。中にはビックリするほど文章スキルの高い方もいますが全体的にみると紙媒体出身者よりは少ないです。
紙出身かWeb出身か、どちらとも得手不得手があるのは仕方ないことです。研鑽を積んでスキルアップするも良し。予算に余裕があるのであれば、ライティングスキルの高いスタッフを補佐として雇うと良いでしょう。
(3)広告制作会社へ入社、後に編集者へ
みなさんイメージする編集者になるための仕事とは違うかもしれませんが、広告制作会社出身の編集者って、意外と多いんですよ。
もちろん社内では編集者という呼び名では呼ばれていません。広告制作会社出身の編集者の大半は制作ディレクター、もしくは制作管理や進行管理者として活躍していた方が大半かもしれません。
尚、広告制作会社では、営業担当が企画や進行管理を担っていることも多く、広告制作会社の営業さんから編集者に転身した方は結構いらっしゃいます。
ちなみにわたしも、某有名転職サイトを運営する人材紹介会社でライター・編集者としてのキャリアがスタートしました。なので分類するとここ出身の編集者になります。
(4)ライターから転身する
ある程度ライターとして活動していると、記事の企画段階から関わることも増えてきます。これはライターあるあるですね。
ここ数年クラウドソーシングサービスなどでWebライターが注目され、いまではライターになる敷居はかなり下がってきています。Webライターからチャンスをつかんで編集者になる道は、いまのトレンドかもしれません。
(5)その他の業界出身者も
どうです?編集者になる方法って意外と多くないですか?
自分自身、人材紹介の会社に入ったことがキッカケで、まさかライター・編集者として独立することになるなんて思いもよりませんでした。
今回上記で紹介した方法以外にも、企業広報・PRから転身して編集者になった方や、アフィリエイターやブロガーから編集者になった方もいらっしゃいます。編集者やライターへの道は一昔前よりもグッと身近になったと言えます。
編集者は自社の社員であるべき?外部パートナーの視点から考える
さて前回の記事でもチラッとふれましたが、もし企業に一人編集者がいればそれはそれは嬉しい存在となるはずです。
メディアや広報誌を作るときにもし編集者が居てくれたら、どれだけ頼りになることか…!と、わたしの熱い思いが届いたとして、実際に編集者をどんなカタチで雇うのかが次の課題になってきます。雇い方は主に以下の3つ。
- キャリア採用で編集経験者を雇う
- 自社で育てる
- 外部パートナーに委託する
それぞれにメリット・デメリットがあるので見ていきましょう