「女性向けWebメディアを始めたい」という方の中には、編集者やライターをどのような基準で採用すればいいのかお困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回は、女性向けWebメディアの編集者・ライターを採用する際に参考となる情報をお届けしたいと思います。
ターゲットとなる女性像を明確にすることが肝!
女性向けWebメディアの編集者・ライターに必要な人物像やスキルをお話する前に、ターゲット設定について触れておきましょう。
当然ですが、「女性」と一口に言っても年齢や趣味嗜好、独身なのか既婚なのか、既婚でも子持ちなのかそうでないのか、仕事を持っているのかいないのかなど、その条件によっても消費行動や欲する情報は違ってきます。
筆者は独身女性向け情報サイトの編集者・ライター経験と、既婚女性向け情報サイトの編集者経験がありますが、ターゲットとなるユーザーの女性像が異なることで、扱う情報にもさまざまな違いがありました。
たとえば独身女性向けの情報サイトで扱っていた記事の情報は、主に下記のようなものです。
- 恋愛
- 婚活・結婚
- 人間関係(親子・友人・職場などの人間関係)
- 美容(ファッション・メイク・ダイエットなど)
- 仕事(キャリアアップ・転職・副業)
- お金(貯金・資産運用)
- グルメ
一方、既婚女性向けの情報サイトで扱っていた記事の情報は、主に下記のようなものです。
- 妊娠・出産
- 育児・教育
- 健康管理
- 人間関係(ママ友・ご近所さん・職場などの人間関係)
- 家事(料理・掃除・洗濯)
- お金(貯金・資産運用・節約・家計管理・税金・福利厚生など)
- 美容(ファッション・メイク・ダイエットなど)
- 仕事(転職・復職・副業・キャリアアップ)
- 生活全般(雑貨・インテリア・ペット・災害対策・防災対策など)
ファッションやメイクといった美容に関する情報は共通ですが、その他に関してはそれぞれで扱う情報の内容にも差がありました。
サイト内に掲載する記事広告にしても、独身女性向けの場合は「占い」や「ダイエット商品」「スキンケア商品」がメインであるのに対し、既婚女性向けの場合は「サプリ」や「健康食品」「子ども用商品」がメインでした。
このように媒体が変わればターゲットも変わり、ターゲットが変われば必要とされる情報も変わります。もちろん、掲載する広告(提携する企業)も変わるのです。
女性向けWebメディアをサービスや商品の売上アップに活用したいのであれば、まずはそのサイトのターゲットと自社のサービスや商品の相性が良いかどうかを見極める必要があります。
また自社のサービスや商品ありきで女性向けWebメディアを運営しようとするなら、最初のターゲット設定は慎重に行わなければなりません。
ただ漠然と「女性」をターゲットにしても、女性のライフスタイルや価値観が多種多様になった現在では、もっと的を絞らなければ刺さらない=意味がなくなってしまうケースもあるからです。
Webメディアの編集者が行う業務とは
「Webメディア」と言うと幅が広すぎて話が進めにくいので、ここからはコラム記事やハウツー記事、ニュースやトレンド情報などを掲載するサイトの話として進めていきたいと思います。
「女性向け」に限ったことではありませんが、Webメディアの編集者が担う業務は幅広くあります。
メディアによっても異なりますが、オウンドメディアの場合は以下のような業務を担当することが一般的でしょう。
- コンテンツの企画・制作
- 記事構成の作成
- 取材の申し込み・取材
- クライアントやライターなどとの打ち合わせ
- 制作進行管理
- 校正・校閲
- タイトル付け
- 画像設定
- SEO対策
- PVやKPIなどの数値分析・管理
- 記事のライティング
- SNS運用
- ライターやモデルなどの採用・管理
- 予算管理
- ポータルサイトへの記事配信
ざっと挙げただけでもこれだけ幅広い業務を担当することになります。
女性向けWebメディアに求められる編集者のスキルとは
ここでようやく本題に突入です。
女性向けWebメディアの編集者を選ぶ(採用する)際には、どのようなスキルを持った人物がふさわしいのでしょうか?
編集者は時間に追われることや複数の業務を同時進行で行わなければならないことも多く、臨機応変な対応が求められる場面も多いものです。
そんな編集者に求められるのは、時間やスタッフを含むマネジメント能力やコミュニケーション能力、企画力、文章力など。そして最も大切なのが、読者の視点を持てることです。
女性向けWebメディアでは、読者である女性の気持ちに寄り添ったコンテンツの企画・制作が大切になります。特に女性は“共感”を大事にするもの。共感できるか否かがそのサイトを利用するか否かに直結するため、ユーザー視点で物事を考えることができなければ、そのサイトを利用してもらえなくなってしまいます。
そのため女性向けWebメディアの編集者には、ユーザーとなる層に共感できる人物が必要です。ユーザーと同じ視点で物事を考え、形にできる人物こそがサイトの情報をリアルで“使える”ものにし、多くの共感を得るサイトに成長させてくれるのだと言えます。
そういった意味では、やはり女性向けWebメディアには女性の編集者がいたほうが効率的です。女性ならではの視点というのは、どうしても男性が真似できるものではないものもあります。
たとえば、女性は頭で考えるというよりも「おもしろそう」「楽しそう」「ヒットしそう」などといった感覚・直感で物事を判断することが得意です。この感覚・直感というものは言葉で論理的に伝えることが難しいもの。日々、生活していく中で自分の中に積もり積もってできた価値観のようなもので、人に説明できるようなことではない場合もあります。
しかしこの感覚・直感というものが、Webメディアの運営にあたって重要な意味を成すこともあるのです。
もちろん女性向けWebメディアの編集者は「女性でなければいけない」というわけではありません。この感覚や直感は身に付けたり磨いていったりすることも可能です。
そのために必要なのは、毎日女性向けの情報に触れること。テレビやネット、雑誌などを見て、常に女性が求める情報は何なのかにアンテナを張っておくことです。女性専用のコミュニケーションサイトを覗いてみる、周りの女性たちの会話に参加してみるといったことも効果的。
女性向けに発信される情報を収集し、どんな情報が女性の心に刺さっているのか、興味を持たれているのかに着目する習慣をつければ、女性が求める情報を感覚的に捉えることができるようになるでしょう。
女性であってもこの習慣は大切。日頃からさまざまな情報に触れている人こそ、Webメディアの編集者にふさわしい人物だと言えるのです。
後編では女性向けWebメディアのライターに求められるスキルと、編集者とライターに求められるスキルの違いについてご紹介したいと思います。