講座最後のQ&Aで出てきた「何をしたら良いのかわからなくなってしまいました」。
この質問に激しく同意したウェブ通事務局スタッフです。
「絶対に役にたつ記事を書いているのにGoogleが検索で上位表示してくれない…」
「タイトルもしっかり考えたし、コンテンツもキーワードを入れながら3000文字くらいのボリュームで論理的に書いた。でも上位表示されない。そもそもサイトの作り方がダメなの?」
今回のはじできSEO講座で講師をした丸山には、常日頃からよく質問をして教えてもらっています。最新のSEO対策についてまとめて聞ける講座を受講して、あらためて事務局スタッフが「これ大事だなぁ」と感じたことを講座レポートをまとめました。
ちなみに、今回のSEO講座では事前に小テストを行いました。
その小テストの内容は「世にも奇妙なSEO都市伝説」、「世にも奇妙なSEO都市伝説~小テスト回答編~」にあります。
目次
1. 良いページを作るための5ステップ
「何をしたら良いのかわからなくなってしまいました。」
この問いに対する回答は、「ページが最優先の原則に戻りましょう」。
ユーザーが検索している悩みや聞きたいことについて回答をしているのはページです。
ページとサイト、どちらも大切なのですが、特に重要視したいのはページ。いいページが集まってサイトが強くなります。
だから、何をしたら良いか迷ったときにはまず「ページが最優先の原則に戻りましょう」という回答になるんですね。
SEOは小手先だけのテクニック集ではなくなった
Googleは企業です。つまり企業利益をあげなければなりません。
ユーザーにGoogleの検索エンジンを継続して使ってもらうために、Googleはユーザーにとって役に立つ検索結果を表示したいと考え、日々進化しています。
もしSEOのテクニックだけで検索順位が上がるのであれば、役に立たないダメなサイトが上位に来てしまうこともあり、そうするとユーザーがGoogle検索から離れてしまうかもしれません。
Googleの2016年度売上高は7兆900億円、そのうち検索が占める売上は1兆円。つまり、検索からの売上が下がるとGoogleの売上に大きく影響するのです。
だからこそGoogleは、小手先だけのテクニックでダメなサイトが検索上位に来ることがないよう、徹底してダメなサイトを排除しています。
ユーザーにとって役に立つ高品質なコンテンツを上位表示させるよう、アルゴリズムを進化させ、今では人工知能も使いながら、200以上の要素でランキングを決定しているのです。
良いページを作るための5ステップ
- ユーザーの検索意図を想像する
- 上位(1~4位)のサイトを研究する
- タイトルを30文字くらいで仮決めする
- 内容の目次を考える
- 文章や画像を作り、タイトルも決定する
SEOセミナーやSEOについて書かれている記事でよく見るあたりまえのことばかりです。
でも実はこれら当たり前のことをやっていないサイトが多いんです。
特に、ユーザーの検索意図を想像すること、上位サイトの研究はできていないサイトが多いので、しっかりやればチャンスです。
ユーザーの不満な結果を想像してみる
ユーザーの検索意図とは、ユーザーが求めている内容。検索キーワードから検索意図を想像するのは意外と難しい作業です。
ユーザーの検索意図を想像するコツは、「その人の不満な結果をイメージする」こと。
例題:「生命保険 おすすめ」で検索している人の検索意図は?
- なぜ?
- 子供ができて、万が一のリスクに備えたい
- 不満な結果
- 候補の保険が決まらず、時間ばかりが過ぎていく。結局入れない。
- なぜそれが不満な結果なのか?
- 家族が危険にさらされる。時間も無駄に過ぎていく
- じゃぁ望む結果は?(これが検索意図)
- 自分にとって納得のいく金額と内容の保険の検討を早く開始したい
ワークショップがあり実際に自分の運用しているサイトでも考えてみました。
「ユーザーの不満な結果をイメージする」ことはこれまでやっていなかったので新しい気づきがあり、すでにあるコンテンツ記事を少しリライトしてみよう、と思っています。
2. 情報をわかりやすく整理する情報設計
情報設計とは情報をわかりやすく整理する方法であり、かっこよさを捨てて徹底してユーザーにとってやさしく分かりやすくあることを意識することが大切。
情報設計の手順
- ユーザーを明確にする
- サイトの意図を明確にする
- 掲載したい情報を洗い出す
- SEO対策として情報(検索キーワード)を拡げる
- 情報を整理する
- ユーザーに伝わる階層を作り、優先順位をつける
- SEO的な観点で微調整する
ユーザーを明確にするためには顧客をよく知ること
あなたの顧客は誰で何に困っているのか?いつどこで何を検索しているのか?このアイデアがよくないと激戦区で戦うことになって検索上位表示が難しくなってきます。
また顧客をよく知って理解していないと、せっかくページを訪問をしてくれても内容に満足してくれません。
顧客をよく知るためのワークショップとして以下のような項目について考えました。
「今来ている顧客」と「今後来てもらいたい顧客」に分けてそれぞれ書いていきます。
- 顧客はどんな人?
- あなたのサイトに来るのはなぜ?
- その人が最終的に手に入れたいものは?
- その人があなたのサイトに来た方がよい理由は?
- その人が検索しそうなキーワードは?(複数回答可)
- もう一度最終的に手に入れたいものを見ながらその人が検索しそうなキーワー ドは?(複数回答可)
このワークをやったことで自分が運用しているサイトで、顧客が最終的に手に入れたいもの、それを手に入れるために検索しそうなキーワードを新たに思いつきました。
さっそくその思いついたテーマで、コンテンツ記事を1記事新しく書き始めています。
情報を整理するコツ
情報設計の手順の説明で、個人的にもっとも興味を持ったのが「5.情報を整理する」方法として挙げられていたカードソーティングです。
カードソーティングとは、キーワードを付箋などに記載しホワイトボードやテーブル上で並び替えて情報を整理する方法です。
マインドマップやExcelなどで情報を整理する方法もありますが、人間にとって視覚から入る位置情報はとても大切なので、全体像が浮かびづらいパソコン上で行うよりも付箋などのカードを使ってメンバーで考えていくのは効果的です。
また、例えば「漫画」というキーワードで考えたとき、「ドラゴンボール」には「ジャンプ」「集英社」「鳥山明」などさまざまな付帯情報があります。
これら付帯情報をファセットと呼びますが、情報設計をするときにはファセットがないか、そのファセットを活用してうまく整理できないか、も考えてみましょう。
情報設計の手順の1-4を考えながら、カードソーティングで情報を整理し、どうグルーピングすればユーザーにとって分かりやすく使いやすいサイトになるかを考えていきます。
カードソーティングで付箋などを使って情報整理することは、サイト制作だけでなく、戦略を練るときや企画を考えるときにも使えますね。カードソーティングはさっそく使っていこうと思います。
SEO的な観点で微調整
ユーザーにとって分かりやすく使いやすい観点で作成した「分類」と「中身」、「優先順位」はGoogleにとっても重要です。
Googleにとって情報設計したものが重要な理由は、Googleがサイトのテーマと優先順位を判断し理解するからです。だから情報設計するときには、Googleにとっても分かりやすいキーワードを使わないともったいない。
SEO的な観点で微調整する方法
- Googleキーワードプランナーもしくはキーワード取得ツールβで分類名を入れてキーワードと検索数を確認する
- パンくずナビでどの階層を採用するか悩んだ場合は検索数が多い方を優先する
- パンくずは1つに絞る。パンくずが複数あるとGoogleは一番上だけを認識する
- 当初の検討にあがっていない分類やキーワードが表示されたら採用を検討
- 類義語などが見つかれば、検索数の多い方がユーザーにとって最適か検討
1. 良いページを作るための5ステップではページの大切さ、2. 情報をわかりやすく整理する情報設計ではサイト全体を決める情報設計の考え方について、あらためて気づきが得られました。良質なコンテンツを作っているのに検索上位に来ない…と悩んでいる私にはとても理解しやすい内容でした。
3. Googleの最新推奨を知って評価ポイントを重ねる
リンク
リンクには2種類あります。外部リンクと内部リンクです。
外部リンクとはいわゆる被リンクのことですが、最新のGoogleの評価では信頼できる推薦1つが勝ちます。
最も信頼できる自然な推薦リンクは、「専門家が記事を書いてあなたのサイト内のある記事を紹介する」ことであり、トップページへのリンクよりも特定記事やカテゴリページへのリンクの方が評価されやすい傾向があります。
内部リンクとは、自分のサイト内で記事同士にリンクをすることです。
内部リンクの場合、各ページのもつ評価をリンクで分散する(力を分け与える)ようなイメージになります。
内部リンクは、そのサイトが何を重視し、どのページを優先しているのかGoogleに伝えていることになりますので、トップからのリンクを無駄に増やし過ぎないようにしましょう。
スマートフォン対応と表示速度
Googleの評価では表示スピードを重視しています。そのため3秒以内に表示できないサイトは問題はありと判断されてしまうのです。
早いタイミングで告知されていたモバイルファーストインデックス(MFI)対応は2018年以降にずれ込みそうです。
MFIとは、PCサイトではなくスマホサイトをページ評価の基準にする仕組みですが、MFI対応がずれ込んでいる理由として考えられるのは、スマホサイトの場合いいサイトの評価が難しいということなのかもしれません。
GoogleのYMYLには気をつける
YMYLとはYour Money Your Lifeのこと。
Googleは、ユーザーの人生に大きなダメージを与えるような悪質なサイトには注意しています。つまりお金(Money)と生命(Life)に関わるキーワードを特別視しています。
お金とは「エアコン 格安」のような購買キーワードや金融関連の情報など、また生命とは「胃がん 治療」のような病気に関わるような情報のことを指します。
YMYL関連のサイトは信頼性、情報開示、運用歴、セキュリティなどが大切になりますので、ECサイトやお金、医療に関わる情報提供サイトは注意しておきましょう。
検索で上位表示されなくても検索結果でいかに目立つか
日付、description、画像なども検索結果に表示されます。そこで目を引くことも可能です。
また、構造化データをうまく使うと、Googleに正しく内容を伝えられるし、SERPs(検索結果)のスニペットに表示してくれることもあるので、たとえ検索で上位表示されなくても検索結果で目立たせることができるのです。
まとめ
4時間という長丁場のSEO講座でした。講座に参加されたみなさま、お疲れさまでした。ありがとうございました。
ウェブ通事務局スタッフは、丸山から直接「こうしたほうがいい」と教わる機会も多く、実際その教え通りにやって成果を挙げているサイトも多々ありますが、うまくいかないサイトや上位表示されないページもあります。
都度悩みます…落ち込みます…
でも、今回のはじできSEO講座を受講して、「これが足りなかった」「ここやっていなかった」など新しい気づきを多く得ることができましたし、さっそく実務に活かし始めたこともあります。
その得られた気づきの一部をレポートにまとめました。