仕事や生活を豊かに、かつ効率よく向上させるためには、「効率化」を考えることは大事です。効率化と言っても、行うべきこと、効果、対象は人それぞれです。
しかし、共通して言えることは「時間の確保」です。
ムダをなくすことで今までとれなかった時間が増え、今後のロスをなくすことでも時間が増えます。限りある時間はかけがえのない財産です。そんな財産をいかに増やすか・減らさないかを考えることが効率化を図ると言うことなのです。
今回は、日々仕事を行ううえで役に立つ、取り入れやすい効率化についてご紹介します。
[思考編]効率化を実現するために必要な思考
何をもって効率化と言えるかは、人それぞれに基準や効果が異なりますが、効率化を実現するために必要なものは共通して「人」「物」「金」の3つです。
これらのいずれかを上手に使って得られるものが「時間」です。得られた時間こそが効率化を図った際の対価と言えます。
時間を得るために、人・物・金のどれを活用するのが改善かを考えましょう。当然、得られた時間は使用したものよりも価値が高くなります。
人の活用
効率化のための人の活用としては、
- 自分に知識がないことを聞く
→ 調べる手間が省ける
- 自分にできないことを頼む
→ スキルの習得の手間が省ける
社内に複数の部門があれば、質問を投げかけてみるとすぐに突破口が見つかる場合もあるでしょう。立場が有効であれば、積極的に人を動かすのもよいでしょう。
物の効率化
物のせいで時間を余計に消費していることがあります。
たとえば、何年も大切に利用してきたパソコンがあります。ホームページ制作業務に利用しており、特段不満はありません。
しかし、これがもし最新型のパソコンを利用していたとします。
起動時間も処理速度も劇的に速くなり、いままで1時間必要だった作業時間(特に、待ち時間)が20分で済んでしまうとします。
これにより得られた時間に対して、導入したパソコンのコストと、これから節約できるであろう人件費のコスト、さらには短縮できた時間でさらに得られる利益を考えると、物に対しての投資や活用がどれだけ意味のあるものかを想像できると思います。
金の効率化
効率化のためのお金の活用は、ずばりバッファの確保にあります。
たとえば、少人数の会社がとても大きな案件を受注した場合、長い期間その案件にかかりきりになり、請求するタイミングもはるか先にあるため、それまでのやりくりに必要なキャッシュフローの悪化も考えられます。
このせいで新しい案件も受注できないような余裕のなさは極めて危険です。機会損失を防ぐためにも、例えば案件の作業の一部を外注するなど、お金で解決できることも考慮しましょう。
「お金は、ちゃんと使った方が増える」と言われるのは、本当に必要なものに対して、必要な投資をすることなのです。
[思考編]効率化は「めんどくさい」からはじまる
日々の業務の中では、どうでもいい作業に時間をとられてしまうことが多々あります。
時間をかけるほどのことではないけれど、やらずには済まないレベルの事柄です。
こういったレベルの内容は、「めんどくさい」と考え向き合うことが大事です。むしろ作業すべてを「めんどくさい」と感じ、ひとつひとつに疑問を持ってみましょう。
例えば、ゲーム。
ドラクエで手っ取り早くレベルを上げるには「強い的を倒しまくる」ほかに「弱い的にできるだけかまわない」「全体魔法で全力で敵を一掃し、回復のためにすぐに宿屋に行ける距離で稼ぐ」など、何かしら創意工夫をしたことでしょう。
これらは「レベルを上げる作業はルーチンだし面倒、効率よく行いたい」という要望から工夫する事柄です。
こういった思考を仕事にも取り入れることが重要なのです。
チラシの封入作業から考える効率化
効率化の思考は、単純作業や簡単な作業にこそ目を向けるのがオススメです。
例えば、セミナーのために、セミナー資料とスポンサーチラシ10枚とノベルティのセットを300部作るとします。
キッティング作業自体は、とても単純なものです。10数枚の資料を単に袋に入れるだけです。
効率のよい人であれば、20分程度で終わるところが、非効率な人は1時間以上かかったりと差が出てきます。この差について考察してみます。
まずは目的を確認です。
「複数の資料を1つにまとめ袋に入れる」
ことが最終のゴールです。
ゴール自体は資料の封入ですが、そこを目的とした場合、効率化につながる発想は出てきません。作業工程の短縮化を考える必要があるのです。
資料封入における工夫としては、まず思いつくのが「複数人による、バケツリレー式の流れ作業」です。
長く連結した机の上に資料の束を順にならべ、順々に取って束を作っていく、というスタイルでの作業が一般的です。
この状態でも、十分に効率的に資料作成をすることができます。しかし、これらのフローに疑問を持ってみると、以下のようなことが考えられます。
- 資料の配置を工夫する
→ 資料同士の間隔が広ければ、寄せて移動距離を短くする
- 机の配置を変えてみる
→ 一列に並べたテーブルを二列にして導線を変更する
- 人の数を減らす
→ 流れ作業における渋滞緩和
- イスを配置する
→ 腰が痛くて動きが鈍る
- 行程ラインごとにチームを作る
→ チラシだけ重ねるチーム/ノベルティだけ重ねるチーム/全部を封入するチーム
- 両手を使って資料の束を作る
→ 作業工程が1/2になるが、ミスも出やすい
- 資料の向きを変える
→ 最後に袋の上から入れることを考えると、最初から向きを変えておく
キッティング作業のような単純なルーチンワークこそ、創意工夫の思考を養うのによい題材です。
まとめ
効率化の目的は、作業の完了よりも、時間の短縮化です。
時間を得るために、人・物・金のどれを活用するのか。また、作業工程にムダはないか。
効率化の思考は、単純作業や簡単な作業にこそ目を向けるのがオススメです。
次回[実務編][道具編]では、キーボードショートカット、単語登録、ICレコーダーについて紹介いたします。
【プレミアム】効率化をはかるために大切な、思考術とテクニック[実務編][道具編]につづく
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