今でこそ買い物をメインで海外旅行をする日本人は少ないと思いますが、それでもやはり海外旅行をするときには、旅行前にその場所のグルメ情報や雑貨を調べたり、旅行中にもちょっとしたものを買ったり、旅行から帰るとFacebookやTwitter、instagramで買ったものをアップしたりしますよね。
また、海外で買った商品が気に入れば日本からネットで購入することもありますよね。
これらの行動は中国人も同じです。
ただ使うツールが異なること、言語が違うこと、文化が違うこと、そして中国でのネット環境が違うこと。
2016年越境EC元年と言われていますがいきなり越境ECに手を出して大丈夫なのでしょうか?
2016年6月28日に開催した「はじめてでも3時間でわかる!訪日中国人観光客向けインバウンドマーケティング」講座がとても分かりやすくリアルな現状を知ることができましたので、収録・編集したものをDVDにまとめ販売を開始しました。
なお、ウェブ通プレミアムメンバーの方はメンバーズサイトよりいつでも動画を閲覧することができます。
中国国内のインターネット利用者に対して、サイトへの接続規制をする検閲システム。
Facebook、Twitter、LINE、Instagram、WhatsAppなど全世界で使われているSNSは中国本土で利用できません。VPN接続で利用することもできますが速度が遅くほぼ使えない状態であるのが実態。
国外のサイトを見ようするとグレート・ファイアウォールが働くので極端に速度が遅くなったり、サイト自体閲覧制限がかかったりする。
中国本土に住む中国人向けに日本国内にあるサーバーで中国語サイトを制作しても見てもらえない可能性が高い。
中国本土ではほぼGoogleのサービス(Google検索、Gmail、YouTubeなど)は使えません。
したがってSEO対策はBaidu向けに行います。基本ルールはGoogleと同じ。
リスティング広告ももちろんあって、リスティング広告をやったほうがSEOにも強い、と言われている。
2008年頃リスティング広告を断ったら順位を下げられたユーザーも。今はそんな顕著ではない。
以前、Baiduと医療機関が手を組んで上位表示させていた情報により患者が死亡、中国当局の捜査が入っている。
郷に入りては郷に従え。中国でのBaidu対策はリスティング広告とセットで考えたほうがよい。
デポジットチャージ(最初にお金を入れておく)
中国から申し込むと20万円とか15万円。日本から申し込むと50万円。
中国でネットビジネスを行うためには登録が必要。
「経営性」と「非経営性」の2種類があり、企業情報だけのサイトなど非営利目的の場合には登録のみだが、ECなど販売を行う営利目的のサイトはICPライセンスが必要。
ICPライセンスを外資単独で取得できるようになったのは最近であり、単独での取得は非常に難しい。
ユニクロなども中国現地の企業と組んで違う会社の名前でICPライセンスを取得している。
資本金制限もあるため、中小企業がICPライセンスを単独で取得することはほぼ無理。
日本
中国
香港
ここから先はプレミアムメンバーおよびDVD購入者限定となっております。
「はじでき中国インバウンドマーケティング講座」はDVDでも販売中です。
C2C:タオバオ(Taobao・淘宝網)
B2C:天猫(Tモール)
なぜ巨大ショッピングモールに成長したのか?
ハードル高く、大手企業もほぼ失敗。
独自ドメインECサイトから買う人は少ない。信頼とかめんどくささが理由。
天猫国際
京東(ジン・ドン)
KJT
楽天Global
ECサイトでのクレームをはじめとするユーザーサポートはチャットがメイン。かなり問い合わせや質問がくるので中国語での対応できる人材はもちろんのことパワーがかかる。
したがって越境ECは時間も手間もかかることに注意が必要。
旅行前に買い物リストを作る。(いろんな人から指名買いをお願いされるから)
家族のつながりや仲間になったときのつながりが強く、そういう人が言ったことやKOL(Key Opinion Leader)のクチコミは信用する。
「日本で今流行っている健康食品ベスト8」などの記事に商品を入れて、訪日旅行情報のサイトなどに出してシェアされて読まれると買い物リストに入りやすい。
ブランドイメージを損ねない形でQRコードを張りまくって、WeChatフォロワーを地道に増やす
(中国人はQRコードで何かもらえる、という感覚が強いから)
WeChatフォローでお年玉プレゼントなど、SNSを使って遊んで楽しんでもらうなどタッチポイントを作る
決済専用レジがあればスムーズ。
戦利品はウェイボーやWeChatですぐシェアするので気づいたらフォロー。
帰った後でも情報を届ける
日本に旅行に来た中国人に商品を知ってもらって気に入ってもらって多くシェアしてもらう。そうするとECをやったときにも商品が知られているので買ってもらえる。
まずは訪日中国人観光客に買ってもらうことから始めたほうがよい。
ウェイボー(微博)は中国版Twitterで、利用者数は6億人。
日本のTwitterでフォロワー数が多いソフトバンク孫さんは250万人。世界のTwitterでみてもオバマ大統領6000万人。たとえばAV女優だった蒼井そらのウェイボーフォロワー数は1600万人、ユニクロは300万人。巨大市場中国、桁が違う…
WeChatは中国版LINEで、利用者数は9億人。
中国人せっかちな人が多いせいか、ボイスチャット(トランシーバーのようにスマホを持って声を吹き込んでチャットで送る)の利用が多い。
SNSでのシェアや拡散を増やすやり方は基本的に日本で行っていることと同じ。
爆買いバブルは終焉を迎えはじめた、とニュースなどで言われています。
だからと言って単純に「じゃあ中国人に買ってもらうためには越境ECやモールで」となってしまうのは超えなければいけないハードルが高いのでなかなか難しそうです。また、大手ブランド商品であっても中国では知られていないことも多いため、そういう意味では大手だろうと中小も同じであり、勘違いからヒット商品が生まれることも多いそうです。
言語の壁、文化の壁など越えるべき壁はいくつもありますが、グローバルへの対応を考えなければならないウェブ担当者にとって知っておいたほうがいい内容盛りだくさんでした。
もっと詳しく内容が知りたい方は、【動画】はじめてでも3時間でわかる!訪日中国人観光客向けインバウンドマーケティング 2016/6/28開催をご覧くださいね。