私たちウェブ担当者通信は、KDDIウェブコミュニケーションズさんのCPIサーバーの共用サーバープラン(ACE01プラン)を使用しています。
2011年にウェブ担当者通信がスタートしてからNTTコミュニケーションズさんのBizメール&ウェブを使用していました。その後、2013年3月のサイトリニューアルから現在までCPIサーバーを使用しています。
画像:CPI の共用サーバーサービス「シェアードプラン ACE01
この記事では、実際にCPIサーバーを使って感じている率直な感想をお伝えしたいと思います。
私たちウェブ担当者通信は、メディアと会員向けサービス(ECサイトのようなもの)を展開しています。
システムは既にWordPressをベースに一部をカスタマイズして構築していたため、下記の条件で新サーバーを検討していました。
それまで使っていたBizメール&ウェブは素晴らしいサービスでした。
ただ1点だけ「マルチドメインに対応していない=テストサーバーを無料で構築できない」という問題がありました。
テストサーバーがないというのは、ウェブ上でサービスを展開する企業にとっては死活問題です。
この問題について悩んでいた当時、とあるセミナーでご一緒した方から「CPIサーバー」というレンタルサーバーがあることを教えてもらいました。
そして、そのレンタルサーバーの売りは「テストサーバーが標準でついてくる」ということだったのです。
当時CPIサーバーについては未調査だったので、帰ってから早速調査してみた結果、下記のことがわかりました。
CPIサーバーの調査の結果、完全に要件を満たすわけではなく、いろいろ他サーバーとの◯☓表をつけることも考えました。
しかし正直なところ、ほとんどの共用サーバーは使ったことがありますがどこも似たり寄ったりだと感じていましたし、それぞれ良いサービスだと感じていました。
そう感じていながらも1点、CPIサーバーが良いと思ったのは「ECなどウェブ上でサービスを展開する人のことを考えて作られている」ということでした。
他のレンタルサーバーにおいては汎用性を感じるのに対し、CPIサーバーは「ウェブ上でサービスを展開する企業」に特化してサービスを構築しているように感じました。
特にテストサーバーにこだわっていた私たちにとっては、痒い所に手が届くサービスのように感じ、またサービス運営元のKDDIウェブコミュニケーションズさんという信頼性も手伝い「これならばずっと継続したサービスを構築できるかもしれない」と判断しました。
要件を満たさない点には運用でカバーすることで目をつむることができたので、CPIサーバーを選んでまずは1年間運用してみることにしました。
それから2017年の今でも継続して使い続けています。
当初の「このサーバーであればずっと使い続けられる」という予想は当たっていたことになります。
これは一言でいえば「満足」といえるかと思います。
大きく3つ理由がありますので、それぞれご説明したいと思います。
CPIサーバーは自動で毎日バックアップが深夜に取得されます。
取得される世代数はどんどん増えて、今では1ヶ月分あるように思います。
私たちは直近に戻すこと以外でバックアップからのリカバリをしたことがありませんが、これが本当にありがたいですし、何度かお世話になっています。
前述したように、ウェブ担当者通信のサイトはWordPressで作成されています。有料メンバー向けサービスもありますのでかなりカスタマイズをしており、安意にWordPressのバージョンアップができません。
適当にバージョンアップをすると動かなくなってしまうこともあります。
しかし一方、ご存じの方も多いと思いますが、WordPressはセキュリティ面の強化という意味でもバージョンアップは必須となっており、特に脆弱性が発見されたときは急いで対応しなくてはなりません。
こういった緊急時で作業ミスをしてしまった場合などにも、バックアップがあれば元に戻すことができます。
バックアップを自動取得しているレンタルサーバーは他にもいくつかあります。
CPIサーバーのバックアップ機能の良さは「誰でも簡単にボタン1つで戻せる」ことだと思います。この簡単さは他に見たことがありません。
▼SmartReleaseという機能名です。
▼ボタンひとつでバックアップもリストアもできます。
バックアップの心理的障壁は「元に戻るのか?」「ちゃんとバックアップを取得できているのか?」という点です。
ウェブ担当者通信には過去にインフラのエンジニアをしていた人間もいますが、その人間でもバックアップから手動で戻すのは緊張します。
それが「ボタン一つで自動で戻る」ところにCPIサーバーの価値があると感じています。
正直このバックアップ機能だけでもサーバー費用の元がとれたと思うことが多いです。
サーバーを運用していると、なぜか急にレスポンスが悪くなったり、どのようにサーバーを設定すべきかわからなくなる時があります。
そういったサーバートラブルが発生したときに、CPIサーバーであれば電話で問合せすることができます。
しかも電話が繋がらないということがなく、結構早く電話に出てくれます。
電話サポートの受付時間は、平日の10:00〜18:00ですが、サーバー知識のある方が対応してくれるので、ある程度技術的な質問に対しても概ね満足のいく回答をもらえます。
これがメールで問合せをしなくてはいけないと、質問の仕方がまずければ無駄なメールを何回もしなくてはいけない可能性もあり、特に緊急時は非常に時間の無駄になります。
これと同様のレベルを電話問合せを実現しているレンタルサーバーは、知っているところだと「スピーバー」と「エックスサーバー」になりますが、そちらと比べてもかなりレベルの高いサポートをしてもらえると感じています。
CPIサーバーはマルチドメインに対応しています。ドメイン追加に費用はかかりません。
したがって、いくつでもサイトをもつことができるので、それを利用してウェブ担当者通信では開発サーバーを設置しています。
マルチドメイン対応自体は珍しいことではなく、他のレンタルサーバーも対応していることが多いです。そのなかでもCPIサーバーは、どのドメインもパフォーマンスが良いように感じます。
ただし、これは厳密に計測をしているわけではないですし、共用サーバーに同居している他のサイトにもよると思いますので一概にはいえません。
またCPIサーバー独自の機能として、テスト環境がついてくるというものがあります。
これはマルチドメインとは違い、一つのドメインを作成すると勝手にテストサーバーが作成されるという機能です。
▼詳しい説明は公式ページから。
www.cpi.ad.jp/shared/smartrelease/
このテストサーバーのイメージは下記の構成に近いです。
データベースは本番サーバーと共通ですが、HTMLは別に設置できます。
このテストサーバー機能により、WordPressの本番データを使ったサイトリニューアルのテストなどが実施できます。
ただし注意点としては、データベースが共通ですので、テスト環境といえどもデータベースに影響のある作業は一切実行してはいけません(例えばプラグインやテンプレートの変更など)。
あくまでファイルを上書きする形でリニューアルのテストを実行していきます。
このあたりの機能を有効に使っていくには、ある程度WordPressのシステム的な知識があることが前提になってくると思います。
ウェブサイトでは、開発環境、ステージングサーバー(本番アップ前の確認用)、本番サーバーの3つを用意すると運用がうまくいきやすいです。
ウェブ担当者通信では、マルチドメイン機能を使って開発環境を作成し、テスト環境を使ってステージングサーバーを設置しています。
つまり追加コストなしで3つの環境を簡単につくれることがCPIサーバーのメリットだと感じてます。
さて、大きく3つの機能をお伝えしましたが、この機能が他のレンタルサーバーにないかというと、完全に調べ尽くせてはいません。
ウェブ担当者通信の編集部が把握しているレンタルサーバーとしては下記があります。
把握している理由は、実際に他のサイト制作で使用していたり、相談をうけたことがあるからです。
どのレンタルサーバーも良いサービスだと感じていますので、オススメは用途によって違うと思います。
※プレミアムメンバーの方は相談サービス「1on1相談」で相談してもらえればご回答します。
ウェブ担当者通信のサービス内容・使用用途の場合であれば、CPIサーバーを選択して良かったと思っています。
ウェブ担当者通信はウェブ上のサービスですので、開発を続けていかなくてはなりませんし、その開発で長期間停止するわけにもいきません。
そのためには開発環境が用意できたり、バックアップから戻せることが何よりも重要でした。
また語弊があるといけませんが、CPIサーバーは他のレンタルサーバーと比べて安価ではありません。
しかし、安価ではないからこそ、それほど多くのユーザーがスパム的に使う可能性は低く、ビジネスで使っていて安心感があります。
また、セキュリティアップデートもちゃんと対応されていて、サーバーの安全性という意味でも有利な気がします。
実はこのことには、CPIサーバーに移行してサービス開始・運用してから気づきました。
総じてなのですが、CPIサーバーは運用後のことをより重視しているサービスに感じます。
使ってみてはじめてわかる「よかった」が多いレンタルサーバーだと思います。
概ね満足しているCPIサーバーにも不満点はあります。
大きくは3つです。
CPIサーバーは比較的プログラマーに優しい設計で、PHPのバージョン指定などマニアックな設定が柔軟に対応可能です。
ところが残念ながら、そのマニアックな設定情報がなかなかウェブ検索をしても見つかりません。
情報が見つからない場合は、電話サポートに聞いたり、一般的なサーバー知識をもとに解決したりする必要があります。
ただし、これは初期設定の時がほとんどですので、運用中はあまり気にならないかもしれません。
ブログに情報が少ない理由は、CPIサーバーをビジネスで利用されていることが多いせいかもしれません。
ビジネス利用している人はわざわざブログに技術情報をアップしないことが多いからです。
ウェブ担当者通信が使用しているCPI の共用サーバーサービス「シェアードプラン ACE01」は、月額3,800円(税別)のサービスです。
オプションになっているSSL証明書などの設定は、年間数万円かかります。
また、DNSの設定に関してネームサーバーをレンタルした場合、やはり年間数万円がかかってきます。
何かカスタマイズしようと思ったときに、年間数万円単位で費用がかかってしまうので、判断に悩みやすいサーバーだといえます。
多くのオプションサービスが無償から用意されているような月額1,000円程度の安価なレンタルサーバーを選択すれば、単純なサーバー維持費という意味では費用を抑えることができます。
CPIサーバーは設定が柔軟で、PHP周りの細かい設定など含めて多くのことができます。
その分欲も出てくるのですが、1点だけデータベース周りの操作については、管理画面のphpMyAdminを使って操作しなくてはなりません。
データベースに貯まったデータを分析したり、開発効率をあげるためにデスクトップ上のアプリケーションからデータベースに接続して作業をしたいところなのですが、CPIサーバーの場合にはこのようなことは行えず、管理画面のphpMyAdminを使ってデータベースに接続します。
これは共用サーバーなので、セキュリティ面からみると幾分しかたがないところがあると思います。
しかし、ウェブサービスを構築する場合にかなり良い選択肢になり得るCPIサーバーだからこそ、このデータベース周りの仕様が残念になります。
総じてですが、CPI の共用サーバーサービス「シェアードプラン ACE01」は「今後、毎月10万人くらいまでの人にウェブ上でサービスを展開したい」と考える人にとっては良い選択肢ではないかと思います。
特に、WordPressを含めてデータベースやPHPを使ったプログラムが稼働する場合に、使ってから「良かった」といえるサービスが多くありますし、サーバーパフォーマンスもなかなか良いのでおすすめです。
他に運用後をここまで見据えたサーバーをしりません。
逆に、飲食店のホームページなど、毎月3,000人程度の人に見てもらうサイトや、多少停止しても信用に問題ないサービス、一回作って終わりといったウェブサイトの場合は、CPIサーバーを使うメリットがあまりないかもしれません。
やはりCPIサーバーは、運用後を見据えたサポートの良さを活用し、耐久性のある「サービス」を継続して展開していきたい場合に、設定の柔軟さを含めて向いていると思います。
別の言い方をすれば、「開発は多少絡むが、AWSなど専用サーバーを設定したりメンテナンスするほどの手間をかけたくない」といったニーズにはとてもマッチしているレンタルサーバーだと思います。
スタートアップのサーバーを探しており、サービスが大きくなってきたら別サーバーを検討するといった場合にも、かなり安価で質のよい選択肢となるのではないかと思います。
最新のおすすめプラグインはこちら
→Web運用本の著者にも聞いた!WordPressサイトで絶対導入すべきおすすめプラグイン3選と注意するポイント【2021年版】
この記事では、我々が使用しているCPI の共用サーバーサービス「シェアードプラン ACE01」について率直な感想をお伝えいたしました。
もし記事でよくわからないことがある場合は、コメント欄に記載頂ければ回答いたします。
なお、今後も我々が使用しているツールに関しては、折を見て率直な感想をレビューしていきたいと思っています。
楽しみにしていてください。