画像:GAHAG
人間に勝つには10年かかると言われていた囲碁界において、DeepMindのチームは3年程度で偉業を達成したことになります。
その後、AlphaGoは引退を表明。DeepMindの理念が「人間の知性を解明する」ことであり、囲碁はあくまでもその過程にすぎないことに参加者はショックを受けたと言います。
対戦中、人類最強の棋士19歳の柯潔(カ・ケツ)は、途中退席し、涙を拭ったといいます。人類としての責任と重圧を背負ってのぞんでいたのかも知れません。
柯は対局語のコメントで「AlphaGoは世界を変えてしまったが、ぼくはぼく自身でありたい。そして囲碁が楽しいことを伝えたい。その責任がある」と語ったそうです。
DeepMindのCEOデミス・ハサビスも「AIは人間の使う道具であり、ハッブル望遠鏡のような見通しを拡げるためのツールである。どちらにせよ人間の勝利である」と言いました。
技術は、改めて人間の社会をよりよくするために存在しており、その逆ではありえません。
車に負けたからといって、ウサイン・ボルトを罵る人は皆無でしょう。
私達のようなメディアは、人々の不安や恐怖を煽るのではなく、新しい技術がどのように社会を豊かにするのか?という観点で伝えていくべきだと思いますし、ウェブ担当者通信はそうありたいと思っています。