※2018/11/1 日本でのデータスタジオの名称は「Google データポータル」に変わりました。
データスタジオとは何か?
データスタジオとはGoogleが開発、提供している無料のデータビジュアライゼーションツールです。データビジュアライゼーションとはデータをグラフや図を利用して、わかりやすく表現することを指します。
データビジュアライゼーションの領域では、SQLを使えるなど専門的な技術等が必要なこともあります。しかしデータビジュアライゼーションツールでは、専門的な技術がなくてもツールを利用してグラフや図でわかりやすく表現することができるのです。
データビジュアライゼーションツールとしては現在、有料ツールが多く存在します。Tableau、DOMOなどが有名です。
一方でGoogleは、データスタジオとしてデータビジュアライゼーションツールを開発し、提供を開始しました。
他のツールとの大きな違いとしては、データスタジオは無料で利用することが可能だという点です。
なおデータスタジオは、下記のリンクから利用できます
Platform Home
marketingplatform.google.com/home?authuser=0
なぜデータビジュアライゼーションツールのニーズが高まっているのか
有料ツール(TableauやDOMO等)から無料ツール(Googleデータスタジオ等)まで、ビジュアライゼーションツールが広く普及しはじめているきっかけの1つとして、仕事上、業務内で接触するデータ量が加速度的に増えているということが挙げられます。
みなさまの仕事に関してはいかがでしょうか? 数十年前と比較しても仕事上で取り扱うデータの種類、量が格段に増えていることでしょう。
膨大なデータを活用して仕事を進めていくのに、数値を読み取りづらい、具体的なアクションに落とし込めないなど、扱いづらいデータであっては宝の持ち腐れです。
効率的にデータを扱う必要性が高まっているため、データビジュアライゼーションツールのニーズも高まっていると言えます。
データスタジオに関しては、Googleが開発して提供しているため、Webに関するデータを可視化する目的で利用するといったイメージがあります。
一方前述した有料のデータビジュアライゼーションツールであるTableauの場合は、Webに関するデータ利用としては後発ぎみで、製造業をはじめとする業務効率化が求められる業界を中心に使われ始めていたと感じています。
有名な某回転寿司チェーン店では、廃棄量を少なくするためにビジュアライゼーションツールを使い、廃棄量の改善に成功したという事例もお聞きしたことがあります。
使ってみたいけど何ができるのか?
データビジュアライゼーションツールを使ったことがない人にとっては、何ができるツールなのか不明だと思います。
イメージとしてはExcelで作成できるようなグラフを、より簡単に、直感的に作成することができると考えるとよいでしょう。
一般的にグラフやレポートは、「〇〇ごとに△△が見たい」といった目的からグラフやレポートが作成されます。
「年別に日本の人口の推移が見たい」となれば、〇〇がディメンションとして年別、△△が指標として日本の人口となり、推移を確認できる折れ線グラフや棒グラフを作成します。
この程度のディメンションと指標であれば折れ線グラフや棒グラフで対応できますし、複雑なデータを可視化するためにもさまざまなグラフフォーマットが用意されています。
グラフは簡単に変更可能なため、データスタジオを閲覧するユーザーにとって見やすいグラフを試行錯誤して選択していくとよいでしょう。
またデータスタジオ内では、レポートとエクスプローラの2つのレポートフォーマットが用意されています。
レポートとエクスプローラは下記から選択することが可能です。
レポートは、日毎、週毎、月毎、四半期毎など、定期的に閲覧する必要があるデータを可視化するレポートフォーマットとなり、「ダッシュボード」と呼ばれることもあります。
ダッシュボードとは、ひと目見ただけでいろいろな情報が確認できるツール、機能とイメージするとよいでしょう。
車にたとえるなら、一般的なガソリン車の運転席には速度表示の他に、エンジンの回転数、走行距離、残りガソリン量などを表示する機器が設置されています。
それらの表示機器が全て別の場所に存在すると、運転手は安全に走行することが難しくなってしまうでしょう。
車を運転する上で必要な情報が1箇所にまとまっていれば、そこをひと目見ただけで安全に運転することができます。
安全運転のために必要な情報を1箇所で取得できるのが、現在の車の運転席に設置されているダッシュボードです。
データスタジオのレポートにおいても使い方は同じです。
データスタジオでのダッシュボードは、仕事を円滑に進めるために必要な情報を見やすく可視化したレポートを作成して表示する機能と考えておきましょう。
エクスプローラはレポートで作成したダッシュボードとは異なり、一時的に深堀分析したいときに利用するのに特化しています。
たとえばレポートで作成したダッシュボードを閲覧しているときにポジティブorネガティブな変化があったとします。
その変化の原因を特定するために分析が必要ですが、作成したダッシュボードを編集していってしまうと、定期的に閲覧しなければいけないレポートの体裁が崩れかねません。
そんなときには、レポート内で表示していたダッシュボードのグラフと同じようなグラフをエクスプローラに展開します。
そのグラフに対して変化を与えることで、ポジティブorネガティブな変化の要因を探ることができます。
グラフに対する変化とは、棒グラフをバブルチャートに変更するといったグラフそのものを変化させることだけでなく、グラフを構成するディメンションや指標を変える、データを絞り込む、データを付け加える等、さまざまな変化の選択肢が存在します。
エクスプローラでグラフを変化させ、データ傾向における変化の要因を探してみましょう。
後編では、無料と有料のビジュアライゼーションツールでは何が違うのか。
データスタジオとそれ以外の有料ツールの両側面からご紹介します。