【プレミアム】データスタジオによるデータ活用(後編) FavoriteLoadingあとで読む

: ムラヤマユウスケ
データの有効活用できていますか?膨大なデータを“ビジュアル化”するツール、Googleデータスタジオ(現Google データポータル)について解説します。有料ツールと無料ツールの両側面からデータビジュアライゼーションツールをご紹介!有料ツールにも引けをとらないGoogleデータスタジオの強みとは?

※2018/11/1 日本でのデータスタジオの名称は「Google データポータル」に変わりました。

無料のビジュアライゼーションツールと
有料のビジュアライゼーションツールの違いは何か?

データスタジオの機能や使い方を簡単に紹介しましたが、無料のビジュアライゼーションツールであるデータスタジオと、有料であるTableauやDOMOでは何が異なるのでしょうか。私が考える違いは下記になります。

  1. データ接続の汎用性
  2. サポートの有無
  3. 細かなビジュアライゼーション

1.データ接続の汎用性

データビジュアライゼーションツール内でわかりやすいグラフや図を作成し、表現するためにはデータそのものが必要不可欠です。
データビジュアライゼーションツールでは、データを取り込めるように作成されており、データ接続と呼ばれています。
データ接続においては、有料ツールの方がデータスタジオより取り込めるデータの種類、取り込んだ後のデータ加工が柔軟に対応できるよう開発され用意されていることが多いです。

データスタジオにおいても、データ接続できるデータの種類は増えていますが、Googleのツールということもあり、Googleプロダクトに特化してデータの利用提供がはじまったと言えます。
最近では3rdパーティーツールとのデータ接続も増えてきているため、有料ツールとの差は縮まっていく可能性も考えられます。
現時点でも120以上のデータ接続が用意されているため、多くのデータはデータスタジオで可視化可能です。
もし、データ接続が用意されていなくとも、CSVやGoogleスプレッドシートへデータをエクスポートすることができれば、Googleデータスタジオで利用することができるデータとなります。

2.サポートの有無

有料の場合、データビジュアライゼーションツールによって異なりますが、ツールによってはエンドユーザーがツールを使うためのサポート体制が整っています。
データビジュアライゼーションツールは、ツールの利用に慣れるまで戸惑いがちです。
ツールを利用している際に不明点が発生した場合、ネットで検索して解決方法が見つかることもありますし、見つからない場合にはツール提供企業からサポートを受けられるのは大きなメリットと言えます。

一方Googleが提供するデータスタジオは、ツール提供開始から数年しか経過していないこともあり、ネットで検索しても解決方法が見つかりづらいこともあります。
またGoogleによるサポートも用意されていないため、自力で解決しないといけない場面もあるかもしれません。
しかしGoogleアナリティクスに関する情報も、十年前と現在では現在のほうがネットに存在する情報が多くなっていますから、データスタジオに関してもこれからネットに情報が増えていく可能性が高いと想定されます。

3.細かなビジュアライゼーション

データスタジオも日々、改良が続けられていますが、有料のデータビジュアライゼーションツールの方が細かなデータビジュアライゼーションにおける表現が優れていることが多いです。
これは有料のデータビジュアライゼーションツールを利用した後に、データスタジオを利用すると頻繁に感じますが、有料のデータビジュアライゼーションツールはかゆいところに手が届いているなと思います。
特定のデータのみ変色させたり、レポート上に数値を反映させたりとデータビジュアライゼーションツールを利用する際の表現の幅が広いです。
データスタジオも今後、改善されていく可能性がありますが、現状では若干の差が存在すると言えます。

それでもデータスタジオの便利なところ

有料のデータビジュアライゼーションツールより、無料のデータスタジオの方が便利だなと感じる点は、なんと言ってもGoogle製品との連携です。
Googleドキュメント、Googleスライド内でGoogleデータスタジオで作成したレポートを展開しやすいのは、他ビジュアライゼーションツールと比べると大きな差といえるでしょう。
ネット接続が可能な環境であれば、スマホでも閲覧できるなど、デバイスを問わないのも大きな利点です。
さらなる利点としては、GoogleアナリティクスやGoogle広告であれば有料のデータビジュアライゼーションツールでもデータ接続が用意されていることが多いですが、Search Consoleに関してはデータ接続が用意されていないことが多いように見受けられます。

データ接続が用意されていないデータビジュアライゼーションツールの場合、Search Consoleのデータをデータビジュアライゼーションしようとすると、Search ConsoleのAPIを利用しデータを定期的に蓄積できる場所へエクスポートし続け、エクスポートした場所とデータビジュアライゼーションツールをデータ接続する必要があります。
そうなると技術的にハードルが高まることもあり、Search Consoleのデータはデータビジュアライゼーションしづらくなります。
そのようなハードルがなく、Search Consoleのデータを利用しやすいのはデータスタジオの大きなメリットの1つと言えるでしょう。

また無料のデータビジュアライゼーションツールであるため、今後データスタジオの利用者が増加することも考えられます。
Googleアナリティクスも、提供開始された当初は他にも有料なアナリティクスツールが多く存在しました。
しかしGoogleアナリティクスが無料であったこと、無料なのに高機能であったことから利用者が急増し、現在に至ります。
データスタジオが同じような道を辿るとしたら、数年後には多くの利用者を獲得しているでしょう。

おわりに

いかがでしょうか。
データビジュアライゼーションツールをデータスタジオとそれ以外の有料ツールの両側面から紹介させていただきました。
現在までにデータスタジオをまだ利用していない方は、試しに何かデータビジュアライゼーションされてみてはいかがでしょうか。
日々の体重、体脂肪率をスプレッドシートに記録し、それをデータビジュアライゼーションするだけでも今とは違った世界が開けると思います。

ムラヤマユウスケ
この記事を書いた人: ムラヤマユウスケ

アユダンテ株式会社、元インハウスWeb担当者。
現在はSEOコンサルタントとして活躍中。元は、とある企業でなんでもこなすスーパーWeb担当者。インハウスの経験を活かし、社外から見た求められるインハウス像の講座を受け持つ。2014年2月に「いちばんやさしい新しいSEOの教本 人気講師が教える検索に強いサイトの作り方」(共著)をインプレスジャパンより出版。
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