情報のチャネルはユーザーに選ぶ権利がある FavoriteLoadingあとで読む

: 森野 誠之

「特異点に気付くためには、定常的な状態が感覚でわからないといけない」パイプドビッツ 佐谷社長に聞く | AdverTimes(アドタイ)
www.advertimes.com/20140715/article163928/

紹介した記事の本題は3ページ目から

この記事のタイトルを見たときはアクセス解析関連かWebマーケティング全般の記事かと思っていました。
しかし、読んでいくと全く違う記事でした。

3ページ中の2ページはデータから異常値に気づくためのことが書かれていますが重要なのはそれ以降です。

ちょっと長いですが引用します。


これまで、ネットの進化・普及によって企業は大きく言えばメールとウェブにシフトして、効率化・コスト削減のためにどんどんチャネルを減らしていった。
例えば、問い合わせ窓口は、電話ではなくメールだけにしましょうとか、紙のダイレクトメールではなく、Eメールにして削減しましょうといったことがそれにあたると思います。
企業のウェブサイトの「問い合わせ」から電話番号が消えたのなど、まさにそうで、効率化の名のもとにオフラインのチャネルをどんどん閉じていきました。

それにより確かに企業側は業務効率化・コスト削減ができましたが、実は一方で犠牲にされたのはお客様の利便性だったんです。
「WEBなら、問い合わせは24時間365日対応になるよね」ということで、ごまかされていた面がありました。

しかし、今起きている「オムニチャネル」というのは全くそれの逆なのです。
チャネルを閉じていったものを開こうとしています。
それも、単にチャネルを開くということではなく、一人のお客さまを中心に据えて複数チャネルを開き、その人にとって都合の良い便利なものを選んでいただくという形です。
今まで我々のようなネット業界の企業が不要だと思って捨ててきたものが、全部ひっくり返されている感じがしています。

今まではユーザーの選択肢が少なかったのでチャネルを減らしても問題ありませんでした。
欲しいものがそこにしかなければ多少面倒でもそれを選ぶしかないですからね。

今はそうはいきません。

便利なサービスがどんどん増えてきて主導権はユーザー側にあります。
ユーザーが面倒だと思った時点で他の競合に流れてしまいます。

ルールが変わってしまった

どのように変わったのかはこちらの記事をお読みください。3か月ほど前の記事です。

オムニチャネルの時代2 消費者が情報を手に入れた – WEB戦略コンサルタント 権成俊のブログ
www.webconsultant.jp/omnichannel/post-18.html

ポイントだけ抜粋します。


これまで家電量販店が選ばれる理由は「安く購入できる」ことでした。
その中でもヤマダ電機は最安値でシェアを拡大してきました。
それが今はなぜ変わってしまったのでしょうか。

別にヤマダ電機が値上げをしたわけではありません。
ネットショップの価格競争は激しくなっていますが、これもこの2~3年の話ではありません。
以前からネット上の価格は家電量販店より安いのです。
この2~3年で何が変ってしまったのか。
それは消費者が情報を手に入れてしまった、ということです。

スマホなどでその場で簡単に比較ができるようになってしまったがために、今までのルールが通用しなくなってしまったんですね。
(これは情報にも商品にもサービスにも当てはまります)

さらに価格情報を発信しないと比較すらされない=見つけてもらえないということになってしまっていますので、情報は発信して当たり前、その上で他社とどう戦うか?を考えていかないといけません。

LINEが面倒だ、SNSは分からない、ブログも書きたくない・・・そんなことを言っていられる状況ではありません。
発信しないと地下深くに眠っているのと同じです。

「いつもそこにある」がポイント

同じく3か月ほど前にこんな記事を書きました。
リアル店舗ではネットを使うな!? | ウェブ担当者通信
webtan-tsushin.com/news/%e3%83%aa%e3%82%a2%e3%83%ab%e5%ba%97%e8%88%97%e3%81%a7%e3%81%af%e3%83%8d%e3%83%83%e3%83%88%e3%82%92%e4%bd%bf%e3%81%86%e3%81%aa%ef%bc%81%ef%bc%9f


チラシはやりつくした、フリーペーパーは効果がない、ホームページも反応がない、
リスティング広告もSEOも上手くいかなかった、という経験のある人も多いかも知れません。
しかし、見る側は何を使っているかわかりませんし選択肢も増えていますので、効果が有る無しではなくて継続的に発信していくことが大切です。

オムニチャネルはやめた方が良いと冒頭に書きましたが、
発信するチャネルはたくさん持っていた方がいいに決まっています。

発信するものを作って、継続的に、複数のチャネルで流していきましょう。

ウェブ通のこのコラムも複数のチャネルで発信しています。
・メルマガ
・RSS(http://webtan-tsushin.com/news/feed)
・Facebook
・Twitterでは発信してない!
・運営堂ブログ

こうすることで見る側が使い勝手のいいチャネルを選んで見てくれるようになるわけです。
(もっとも記事の内容が良いという前提もありますが・・・)

また、屋外看板のようなイメージで「そういえばあそこで見たな」と思い出す時もありますしね。

くどいようですが選択権はユーザーにありますので、自分の情報発信チャネルを大切にしましょうね。

あとがき

情報発信を継続するコツは「くじけないこと」「期待しないこと」「気にしないこと」です。

気合を入れて書いた記事がスルーされることもありますし、
キャンペーンがすべることもありますし、
厳しいツッコミが入ることもあります。

それを乗り越えて平常心で発信していきましょう!

森野 誠之
この記事を書いた人: 森野 誠之

運営堂 代表/愛知大学非常勤講師
お膝元である愛知県を中心に地方のWEB運用を熟知し、主に中小企業を中心としてGoogleアナリティクスを利用したサイトの分析、改善提案やリスティング広告を用いた集客改善など、サイト運営の手伝いを行なっている。最新情報を抑えながら地方かつ中小企業向けのノウハウをわかりやすく説明できる数少ない人物。
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