数字を出すことの意味は「発見」ではなくて「確認」です。 FavoriteLoadingあとで読む

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「位置ゲー」コロプラの知られざる本命事業:日経ビジネスオンライン
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ご存知の方も多いと思いますが私は学生時代に化学やっておりました。
統計でもなくコンピューターでもなく化学です。
白衣を着て危険な薬品を扱うアレです。

ちょっと脱線しますと、硫酸ってものすごく危険な薬品でちょっと触れば爆発したり、こぼすとシューシューと煙を上げて何でも溶かすイメージがありますが、そんなことは全くなくて扱いさえきちんとしておけば安全な部類の薬品です。

さらに脱線しますと化学の世界ではSEMと言えば、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)のことで「セム」と読みます。
化学をやっているとセムとかセオってカタカナで言いたくなるのはごく自然なのです(どうでもいい)。

さて、話しを元に戻すと実験は新たな発見の連続で未知の領域にチャレンジしているように思われがちですが、実際は地道な確認作業の積み重ねです。

AとBというものが反応してCというものができたとします。
その時の反応速度やCができる量(収量って言います)が温度、時間、濃度などによってどう変わるのか?をひたすら実験し、再現性を得るために何度か繰り返します。変な値が出ればやり直し・・・。

実験の現場でやっていることはただこれだけで、何をどうするともっと良い結果が出るのか?を考えて、得られた結果から次の実験内容を考えていくことになります。
その延長線上に今まで見つかっていなかった事実があるわけです。

このように数字を分析したり実験したりしてわかるのは当たり前のことであったり、分かったところで特に意味のないことであったりします。
最初に出す数字がゴールではなくスタートなので、スタート位置をしっかり決めることの大切なんです。

この認識がずれがちなんですよね。

出される側は「ビールとおむつ」的なことを期待してこう思うわけです。


時間とお金をデータ分析にかけたのに、当たり前の結果しか出さないなら「データサイエンティスト」はいらない

分かりますが焦らずにもうちょっとだけ待ってください。
コロプラさんの記事のように進んでいきますから。


長谷部:自治体の方が知りたがっていたのが、宿泊日数と観光する場所の関係でした。
1泊だけの人と、連泊する人で、観光に足を伸ばす人がどれだけ違うかというのを知りたかったんですね。
というのも、普通は旅行って連泊すると、いろいろなところを見に行くじゃないですか。
だから、観光先・訪問先も増えるはずなんですけれど、温泉地だけは違っていて、連泊する人ほど動かないんですよ。

編集部:むしろ、温泉でゆっくり過ごしているわけですね。

長谷部:逆に1泊の人ほど、あっちもこっちも観光している。
自治体でも、何となく傾向は分かっていたんですけれど、それが僕らのデータで証明された時は、「ああ、やっぱり」とうなずかれていましたね。

編集部:その傾向が分かったことで、いろいろな施策が打てたりするわけですね。

長谷部:そういうことです。
例えば、1泊の人向けに効率の良い観光地巡りコースを提案したり、連泊の人には観光をもう少し促すプランを作成したり。

今まで起こってきたことを数字として知る。
ここから考えていけば方向性は狂いづらくなりますし、共通の認識もできますし、深く掘るべきところも見えてきます。

冒頭に書いた「私は化学をやっていた」ということ皆さんが知っていれば、何でこういった仕事をしているかがイメージしやすくなりますよね。
これが「当たり前を共有すること」になります。

そして、大学時代から今まで何をやっていたのかを付け加えれば、あ~なるほどとなってめでたしめでたしです。

数字を出す時は焦らず騒がず落ち着いて現状の把握から。
「未知」を「既知」にすることの繰り返しです。

■□あとがき□■

今週のまとめは数字を扱うものを多めにしてみました。

数字を見て分かることって色々あります。

しかし、それは見る人の意識によって数も質も判断も全て変わってきます。

この数字はどういう意味なのか?この数値は良いのか悪いのか?自分がこの数値を見てできることは何か?
これらを考えないと数字はただの数字です。

数字を見て自分のアクションにつながったらその次はそれを伝える努力が必要になります。
こちらは相手の理解しやすさを考えて加工することをお忘れなく。

その次は相手に動いてもらうこと、その次はやったことの検証、そして最初に戻ります。

ここまで見据えて日々の行動に関連付けましょう。
自然にできるようになるまでは大変ですが、できるようになれば結果が付いてきます。

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