30~40代、「友達ゼロ」は人としてダメか:日経ビジネスオンライン
business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20131119/256051/
○○疲れってよく見ますがそうはいってもやめられないのがソーシャルメディアと人付き合い。
誘われるとなかなか断りづらいし、友達申請も断れないし、「いいね」と思ってないけどいいねしてしまう自分が嫌になる時ってあります。
これが社会人なんだと言い聞かせてもモヤッとしますよね。
そんな人に読んでいただきたいのが今週の要チェック記事です。
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聞き手:
ですが、世間的には、「友達が少ないのは良くないこと」「友達がいない人間は変なやつ」という雰囲気が蔓延している気がしますが。
諸富:
いやいや、僕に言わせれば、「誰かと絶えずくっつくことで安心感を獲得し、そうでない人間を排除しようとする人たち」こそ、よほど問題だと思いますよ。
「1人の時間を過ごせる力」、言い換えれば「孤独力」は、現代をタフに、しなやかに、クリエイティブに生きるための必須能力で、今からの時代、ますます大切になっていきます。
その意味では、ビジネスパーソンに限らず、孤独を愛する人は、人生を充実させるうえで強烈なアドバンテージを持っていると言っていい。
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「誰かと絶えずくっつくことで安心感を獲得し、そうでない人間を排除しようとする人たち」
なかなか強烈な一言です。
確かにどこかに属していると居場所があるという安心感がありますし、自分たちはそう思っていなくても考え方の違う人を排除しようとする見えない力が発生します。
また、外から見ている人は「○○さんはどこどこの人だよね」のようにいつの間にかラべリングされてしまっていて、しかも、これが実際の世の中だけではなくてソーシャルメディアの中でも起こっています。
どうやら日本人は自分と他人を勝手にどこかに分類したがるようです。
(その割にはコンテンツやキーワードの分類は苦手なような)
この状況はとっても落ち着いている自分だけの居場所を発見したように見えますが実際は違うようです。
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諸富:
加えて、今の社会では、たとえ表面的であっても幅広い人間関係を維持し日々に忙殺された方が、かえって楽に生きられる、という側面もあります。
生きていれば、誰だって人生の節目ごとに様々な悩みが生じてくる。
でも、飲み会やSNSなどで絶えず誰かとくっつき、スケジュールを埋め続けていれば、「自分の心を常に麻痺させること」が可能です。
そうすれば、本来なら孤独に自分の心を深く見つめねば解決し得ない問題も先送りできる。
「群れる」「つるむ」というのは、日々の不安を打ち消すうえでとても便利な道具なんです。
「群れる相手」「つるむ相手」の数が増えるほど、「自分にそれだけ価値がある」と根拠なき自信を持てるようにもなる。
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「自分の心を常に麻痺させること」ができるというのは怖いですね。
そして、数が増えれば増えるほど自分には力がないのにそう思ってしまうようになる。
頼れる仲間がいると思っても実際は麻痺しているだけで周りには何にも存在しないのかも知れません。
小学校から社会人になってもずっとどこかに属することの方が多い世の中です。
属するな、と言われても今までやったことがないので不安ですしどうしたらいいのかもわかりませんし、この状況の何がいけないのか?も考えたことがない人の方が多いでしょう。
今の何がいけないのか?ではなくて1人だとどんな良いことがあるのか?
を考えてみると今の状況を見直すことができそうです。
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諸富:
一方で、1人の時間をしっかり持っている人は、自分と向き合い、深い部分で自分が本当はどう生きたいのかよく考えていることが多いから、どんな時も、心のバランスを維持することが可能です。
その意味では、冒頭で出てきた「いつの間にか孤独を選んでいた人たち」は、実は自分の心がそうなることを欲して、無意識のうちに人間関係を整理してきたとも考えられます。
人生の重大な局面を向かえ、もっと自分を知りたい、この後どう生きていくべきか考えたい。そんな深層意識があって、1人の時間を確保することを自分で選んできたとも言えると思います。
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自分のことを自分でしっかり考えることができるようになるんですね。
経営者やフリーランスの人が個性を持っているのはこういったところに理由があるようです。
独立はできないまでも会社の中で存在感を持っている人も同じようなイメージだと思います。
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聞き手:
なるほど。今の時代、孤独が苦にならない人はちょっとしたニュータイプとも言えちゃうわけですね。
ただ、先生、孤独に生きようと思いながら躊躇している人の中には、「あまり他人と距離を置きすぎると、いざという時、誰も助けてくれなくなるのでは」と考える人もいます。
諸富:
ああ、それなら心配は要りません。広く浅くの表面的な関係で結ばれた友達が、いざという時に、本当に本気であなたを助けてくれると思いますか。
相手が苦しい時に自分の身を投げ出しても何とかしようとする。そうした深い人間関係は、「孤独を知ったもの同士」の間にこそ生まれる。人間は本来孤独であり、それぞれ自分の道を生きていくしかない。そうやって孤独を引き受けた者同士だから分かり合えるための努力をする。
孤独を知った者同士だからこそ響き遭える、深い出会いがあるんです。
聞き手:
同調圧力を背景に半ば脅迫的につながっただけの関係の相手に、いざという時、親身の支援を期待するのは無理がある、というわけですか。
お話を聞いているうちに、「友だちが少ない、いないこと」は人としてダメどころか、様々なメリットすらある気がしてきました。
少なくとも「誰かと絶えずくっつくことで安心感を獲得し、そうでない人間を排除しようとする人たち」より、ずっと健全に思えます。
「分かり合えない人」と形ばかりの関係を維持しようと神経をすり減らすより、健康にはいいし、自分を見失わなくても済む。
孤独を知ることで、“真の友”との本当に深い出会いが待ち受けているかもしれない。
諸富:
そうです。そうした深い出会いからは「この人だけは自分を見捨てない。どこかで自分を見守ってくれる」と思える人も、数は少ないかもしれませんがきっと見つかるはずです。人間関係に悩んでいる人ほど孤独力を身に付けたら、毎日が爽快になります。
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孤独力を身に付けていること。
どうやらこれがソーシャル疲れを解消する秘訣のようです。
半日でもいいのでソーシャルメディアなどから離れてみてはどうでしょうか?
そして、一人ぼっちになるのではなくて1人で考えて自分と向き合う時間をしっかりとること。
まずはそこから始めてみましょう。
余談ですが2年ほど前にこんな記事を書いてました。
今年は「忘年会」なるものに参加もしないし開催もしないでおこうと思う。 ≫ 運営堂
www.uneidou.com/6954.php
こんなことを書いても一人ぼっちじゃない(と思っているだけかも)ので、多分、世の中どうにかなるんじゃないかと思ってます。
■□あとがき□■
今週のコラムは社内で孤立しがちなWeb担当者の人を考えて書いてみました。
何となく自分が浮いているように思うかもしれませんが、そこは割り切って自分のやりたいことをやってみるといいのかも知れません。
しっかり考えて、自分で責任を取れる状況になってから良いと思いますので、まずはやりたいようにやるには?から考えてみましょう。