Google アナリティクスは外注して使うものになってしまった FavoriteLoadingあとで読む

: 森野 誠之

GA フォーラム | Googleアナリティクスの情報サイト | ドコモの検索などが検索エンジン(organic)扱いに
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GA フォーラム | Googleアナリティクスの情報サイト | 拡張eコマースとブランドキーワードの管理が新設、データインポートの種類が増えた
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いつも通りいきなり変わっている

今回の変更は気になる人が気になるだけで、普通に使っている人には大きな影響を与えるものではありませんが、
スマホ比率が高いサイトやリスティング広告をガッツリやっている人、オリジナルのECシステムを持っている人には影響があります。

docomoとauの検索は今までは参照元扱いになっていましたので、検索エンジンとして追加しないとキーワードが取得できませんでした。
今回の変更でこの設定をしなくても良くなったのはありがたいのですが、
5/14あたりを境に急に変わってしまったので自然検索からの流入が増えているサイトがあると思います。

拡張eコマースは私はまだ使ってませんがタグを変えないといけませんのですぐに導入は難しそうです。
商品詳細→カート→完了までわかるようになったりしますのでカートが自社で変更できる場合は導入しておきたいです。

ブランドキーワードはブランドワードとして登録したキーワードでリスティング広告経由でアクセスがあった場合に自動でチャネルとして表示される機能です。
ブランドキーワード(いわゆる指名系)でのアクセスが多いサイトには有効かもしれません。

デフォルトでは使えない機能が多い

これらの新機能以外にも設定しないと使えない主な機能は以下の通りです。

・目標(と目標到達プロセス)
・オーディエンスデータ
・ウェブテスト
・イベントトラッキング
・サイト内検索キーワードの取得
・AdWordsとの連携
・クロスドメイン
・eコマース
・utmパラメータを使った計測

さらには、時間帯や曜日ごとのデータを見ようと思えばカスタムレポートを作らないといけないですし、
AdWords連携をしていても検索とディスプレイ広告をわけるにはセグメントが必要です。

知らないものばかりではないのでしょうか?

もう、「タグを貼っただけ」ではGoogle アナリティクスを使っているとは言えません。

細かい設定は外部に依頼しないと不可能な感じです

こういった設定を自社内でやろうと思ってもなかなか詳しい人がいないでしょうし、
仮に頑張って覚えたとしても自社サイトであれば何度も設定するものではないので死んだ知識になってしまいます。

となると外部に依頼するという選択肢しかありません。
無料のツールの設定に費用が掛かるのはおかしいと思うかもしれませんが現実的にはこうなります。

制作会社や代理店の人がサービスで設定してくれることがあったとしても、完璧に設定ができる確率はかなり低いでしょう。
この人たちもGoogle アナリティクスを使うことがメインではないですからね。

実際に私の場合も名古屋という地方でありながらGoogle アナリティクスタグの設置と設定の仕事が増えてきていますので、
世の中の流れ的にもこうなっているのではないかと思います。

外部に依頼するときの基準

Google アナリティクスを導入してアクセス解析をするのは必須ではありませんし、
導入するにしても細かく設定しなくても良い場合がありますので、外部に依頼する場合の基準を書いておきます。

■月間のセッション数が3,000以上(どんなに低くても1,000以上)
これ以下の場合はちょっとしたことがあると数字が大きく変わってしまいますので傾向が分かりませんし、
そもそも流入を増やさないことには問い合わせや注文も増えないからです。
この場合は、とりあえずタグを貼ってデバイスごとの傾向やキーワードなどをさらっと見ておけばよいでしょう。

■データを取得した後のアクションが決まっている
例えばPDFのダウンロード数を知りたい時になんとなく知りたいのでは計測する意味がありません。
100だったら少ないね、10,000だったら多いね、そうだよね。
これでは、知らなくても同じです。

少ない場合はどこまで増やすのか?多い場合はそれがどう活用するのか?などを考えておいて、
数字を取るような体制ができていない限りは細かい設定は不要でしょう。

■異なるサブドメインやドメインの計測がある
クロスドメインの計測は簡単そうでなかなか難しいです。
我々でも毎回悩みますし、テストしてみないことには何とも言えないことが多いです。
ユニバーサルアナリティクスになって多少楽になりましたがそれでも大変です。
正確な計測をする場合は外部に依頼した方が確実です。

■データの精度が求められる
定例報告などで細かい数字までを求められる場合も外部に依頼した方がいいでしょう。
設定できていているつもりでも実は設定できていないこともありますし、
数字におかしなところがあったり定義を聞かれるた時などにきちんと回答してくれる人が必要だからです。
「よく分からないけど、Google アナリティクスではこうなってます」では報告にならないですよね。

■広告などの費用対効果が知りたい時
お金をかけて行った施策の検証をしたい場合にも外部に依頼した方が良いでしょう。
媒体や代理店ごとにレポートは出てくると思いますがそれぞれ基準が違いますし、媒体によってGoogle アナリティクスでの計測方法も変わってきます。
パラメータの扱いなどもありますので、Google アナリティクスで計測して基準をそろえておくと比較がしやすくなります。
(媒体などからの数字が違っているというわけではありません)

まとめ

Google アナリティクスは無料ではありますが超高機能なツールです。
全ての機能を使いこなすのは大変ですし、また、使いこなす必要もありません。
自分たちの状況に応じてなにを、どこまで測って、どうするのか、を考えておきましょう。

予算もないけど知りたいこと、分からないことがある場合はヘルプフォーラムを使ってみてもいいでしょう。
Google Analytics Japanese – Google プロダクト フォーラム
productforums.google.com/forum/?#!forum/analytics-ja

「ただより高い物はない」と言いたくないけど、そうなっちゃってますね。

あとがき

Google アナリティクスのことを書いていると、読んでいる側は分からないことだらけになるはずなので、
そりゃ優先度が低くなるわなって思います。

本気の人がガッツリ使うためのものなんでしょうか。

森野 誠之
この記事を書いた人: 森野 誠之

運営堂 代表/愛知大学非常勤講師
お膝元である愛知県を中心に地方のWEB運用を熟知し、主に中小企業を中心としてGoogleアナリティクスを利用したサイトの分析、改善提案やリスティング広告を用いた集客改善など、サイト運営の手伝いを行なっている。最新情報を抑えながら地方かつ中小企業向けのノウハウをわかりやすく説明できる数少ない人物。
運営堂 www.uneidou.com/
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