消費者の実態や気持ちがわからないことは、むしろ当たり前 FavoriteLoadingあとで読む

: 森野 誠之

【石倉洋子氏×武田隆氏対談1】ITは「断絶した世代」をつなげることができるか?|ソーシャルメディア進化論2014|ダイヤモンド・オンライン
diamond.jp/articles/-/61421
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とっても面白い対談です。まだ続きがあるようですが是非とも読んでほしいです。
印刷用が1ページで読みやすいのでこちらのリンクも。
diamond.jp/articles/print/61421

団塊世代と20~30代の差

大企業の営業を担当している60代の役員の方と20代から30代の現場の方が同席する場で、ソーシャルメディアで消費者と企業がつながる事例を紹介したことがあります。ダイレクトに消費者からの反応が得られることで、自分が販売した商品がどのような使われ方をしているかリアリティをもって感じられるようになるというお話をしました。
すると、現場の方は、そうした消費者の反応を知るとモチベーションが上がるとおっしゃいました。仕事の意義や社会的価値を感じることができるというわけです。一方で、60代の役員の方は「それは甘い」とおっしゃいました。

私は反応を知るとモチベーションが上がります。

こういった記事を書いてもそうですし、セミナーで話した後もそうですし、何か仕事をした時もそうです。他人の評価もそうなんですが、自分がやったことは正しかったのかどうか、上手くいっていないのならどうすれば良かったのか、などなど改善のヒントや反省材料として知りたいんですよね。

だから、現場に行くことが好きですしセミナーの後の懇親会も好きですし、話し終わった後の資料を頼まれてもいないのに作り直すのも好きです。

バブルが崩壊した後に就職した人たちはこういった価値観なのかな?って思います。

そこで60代の方に販売するためのモチベーションは何かと質問すると、「そこに予算があり、達成すべき目標があるからだ」と簡潔な回答が返ってきました。そこには、会社への貢献が自分の生活を支えているという前提が、美意識のレベルにまで磨き上げられています。

この価値観も分かります。

会社に支えられてこその自分。「御恩と奉公」にも似た古くから日本にある意識ですね。

誰かに守られないと生きていけない時代はこういった意識が当たり前でしたでしょうし、また、そういった時代がず~~~~っと続いてきたのでなかなか変わるものでもありません。この世代の人口が多いという事実もありますし。

また、この世代は儲けたいというよりも「食っていく」ことが優先です。お金が欲しいのではなくて安定した生活が目標だからそれを保証してくれる会社はとっても大切なもので、そこから与えられた任務は遂行しないといけないものです。

ここに断絶があってそれがつながっていないという現状があります。

どちらが良い・悪いではないのになぜか否定してしまう日本人。

島国ゆえに

「同じ島国で暮らしてきた同じ日本人だからわかりあえるだろう」という「幻想」です。高度経済成長期にはその「前提」が成立していました。皆が一丸となれたのです。しかし、現代の社会は日ごとに多様性が高まっています。もうこの前提は「幻想」でしかなくなってきているんです。

この幻想に気づいているかがポイントですよね。

「最近の若い者は・・・」と思っている人は「だから年寄りは・・・」と迷惑がられているかもしれませんし、この逆もありです。自分の基準を押し付けたって始まりませんので、周りの人たちの思考回路を理解することから始めないといけません。

日本人は「同じ」という前提ですが外国では「違う」というところから始まります。だから、この意見を尊重するし違うことに対して意見をちゃんと聞いてくれます。

そもそも「違うもの」と思うだけで世の中は意外とスムーズに進んだりします。

日本人の原点

日本には「三方よし」といって、売り手だけでなく、買い手も社会も良くなることを目指すという考え方が昔からありました。「予算や売上目標のために」と言っている世代の人達も、心の底にはその気持ちを持っていたはずです。だから、その原点を思い出させる体験をするとすごく感動する。普段の仕事ではその気持ちが表に出てくる機会がないだけなんだと思います。

「三方よし」は近江商人の考え方です。日本全てにこの考えが当てはまるかどうかはちょっと分かりませんが、商売の基本と言われております。

今の時代って「一方よし」みたいになっていて、しかもその「一方」が自分である場合も多く見受けられます。自分がこれでいいと思ったからいい。芸術ならそれでいいですが誰かと関わって何かを進めるにはこれでは上手くいかないですよね。

この考えだと常に出てくるのが「分かってもらえない」という悩み。

分かってもらえないのは分かってないからで、お互いに理解しようとすれば済むことです。言ってしまえばこれだけですが難しい。

私もウェブ通の過去の問題でこのあたりについて取り上げています。
2012年の5月なのでちょっと古いですが参考までに書いておきます。

「他の皆が忙しく動き回っているのに、いったい何をやっているんだ?日頃パソコンの前に座っているだけで何もしていないじゃないか!」と言われてしまった時の対応です。

・実は周りの人もWebのことは気になっている
・簡単な要望にも丁寧に対応することで徐々に理解度が高まる
・要望と対応を明確にしてナレッジ化する
・結果(相手への対応)にこだわる

何か言われるとか何か聞かれるということは気にされている証拠ですので、怒らず騒がず冷静に対応していけば問題ありません。その時に必要なのは積極的な情報公開です。リアルでもネットも手段はなんでもいいので、どんどん公開して話し合えば徐々に理解も深まって円滑に回るはずです。

変わりづつける目先のトレンドと技術を追いながら、変わらないコミュニケーション手段も勉強することでバランスが取れたウェブ担当者になれるのではないかと思います。

あとがき

ブラックラーメンはしょっぱかったけど、もう一方食べたい味でした。

森野 誠之
この記事を書いた人: 森野 誠之

運営堂 代表/愛知大学非常勤講師
お膝元である愛知県を中心に地方のWEB運用を熟知し、主に中小企業を中心としてGoogleアナリティクスを利用したサイトの分析、改善提案やリスティング広告を用いた集客改善など、サイト運営の手伝いを行なっている。最新情報を抑えながら地方かつ中小企業向けのノウハウをわかりやすく説明できる数少ない人物。
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