「無用の用」とは老子に出てくる言葉で、
一見、役に立たないと思われるものが、実は大きな役割を果たしている。
ということです。
原文を現代語訳するとこうなります。
車輪は、三十本の輻が真ん中の轂に集まって出来ている。
その轂に車軸を通す穴があいているからこそ車輪としての用を為すのだ。
器を作るときには粘土をこねて作る。
その器に何もない空間があってこそ器としての用を為すのだ。
戸や窓をくりぬいて家は出来ている。
その家の何もない空間こそが家としての用を為しているのだ。
だから何かが「有る」という事で利益が得られるのは、
「無い」という事が影でその効用を発揮しているからなのだ。
分かったようで、分からなくて、はぐらかされたような感じですね。
老子はこんな感じの文章が多くて分かりづらい部分もありますので、現代の事例を紹介します。
堀江貴文氏のゲームチェンジャー論「世界を変える人に共通点はない。ただダメなケースは決まってる」【特集:New Order】 – エンジニアtype
―― では、一介のエンジニアや起業家がその「世の中が変わるきっかけ」を作る可能性を高めるには、どうすればいいと思いますか?
まず、力技で何かを変えようと正面突破するのは大変です。孫(正義)さんがネットを普及させようとして、Yahoo! BBでモデムを配りまくったみたいなやり方は、相当な営業力と組織の規模がないとできない芸当。
それができる人はやればいいと思うけど、いざやってみても、狙い通りにゲームチェンジを起こせるとは限らない。運やタイミングもあるし、いろいろやってみないと、何が当たるかは分からないんですよ、結局。
ただ、「世の中もっとこうなった方がいいのに」と考えながらいろいろ試していくうちに、ある時、「これとこれを組み合わせたらイケるんじゃないか」という解が見える瞬間が来る。
試す=無駄なことをするって場合も多いので、まさに無用の用。
ちょっと未来を見てそれに備える。
でも、そうなるかどうかは分からないから無駄なものに見える。
たったそれだけのことです。
心に余裕をもって無駄なことをしてみませんか?
無駄なことって将来の選択肢になるんですよね。
先が分からないから多くの選択肢を持っておきたいところです。