佐藤寿人はなぜゴールを奪えるのか?|コラム|サッカー|スポーツナビ
佐藤寿人、すごいですよね。
11年連続二桁得点を記録して、中山雅史の持つJ1通算ゴール157の記録も目前です。佐藤寿人の場合はJ2での得点もあるので実質は日本で最高の点取り屋と言っていいでしょう。
その彼が点を取ることについてこう語っています。
その瞬間に足を出してボールに当てること。そういうストライカーとしての特性をよく「感覚」という言葉で表現する。「嗅覚」という表現もそうだが、寿人はその言い方を素早く否定した。
「そうじゃなくて蓄積なんですよ。大げさに言えばデータベースです」
「この方向からシュートを打てば、ここらあたりにボールがこぼれてくる。これまでのデータから確率が高い状況を予測し、それに対する反応と準備を怠らないこと。もちろんすべてが同じパターンになるわけではないけれど、確率の高さを信じて準備をしておく必要はありますね」
データベースを経験と言い換えてもいいでしょう。
過去の経験からどの状況で、どの場所にいれば点が取りやすいのかを一瞬で判断する。これができるようになるには日々の蓄積が必要ですよね。
では、どれぐらい蓄積すればいいのか?
「もちろんこれまでの試合での蓄積もそうだし、練習もそう。また、いろんなゴール映像をずっと見ている中で『どうしてこういうゴールが生まれたのか』ということは、考えるようにしています。それは高校生の頃からずっと続けていることですね。他の選手よりはサッカーを見ていると思うので」
高校のころからですか・・・。
現在33歳ですので16歳からとして17年の蓄積があるわけです。
この記事を見てデータを積み重ねようと思っても17年の壁が立ちふさがりますので、なかなか簡単には追いつけませんし、この事実を知った時点で諦めてしまう人も多いでしょう。
しかし、考え方としては反対で「17年分の経験を半分の8年で得るにはどうするか?」を考えるわけです。先人たちが切り拓いてくれた道を進むのは簡単ですからね。
データの蓄積方法はこんな感じです。
「1993年の米国ワールドカップアジア予選・タイ戦の(三浦)カズさんのゴールをイメージしたんです。あのゴールを小学生の時に見ていて、あれからそのシュートばかり練習していました。自分のイメージを可能にする技術は練習で磨かないと試合で決まらない」
自分でゴールをするというデータを蓄積するのに加えて、映像を知識に変えて練習で経験に変える。
それを17年やってきたということですから、追いかける側も映像からスタートすればいいことが分かります。TVで試合を見る、過去の名ゴール集を見る、これなら佐藤寿人以上のスピードで知識を得ることができるかも知れません。今は週に10試合以上TVで見ることも可能ですし、あのイビチャ・オシムの家にはTVが何台もあってすべてサッカーが流れていたと言われていますから。
まあ、トップクラスの選手はトップクラスの選手でこういったシステムがあるわけですが。
Jの先を行くドイツ代表の「科学力」。W杯優勝を支えたシステムが進化中。(1/4) [フットボール“新語録”] – Number Web – ナンバー
話がそれました。
最終的に言いたいのはここです。
筆者は佐藤寿人を表現するのに「思考の天才」という言葉を使ったことがある。「思考する天才」ではない。思考を重ねることを自然に無理することなくできる人材。考えを積み重ねて、そこから最適な答えを紡ぎ出すことを猛スピードでやれる才能を持つ、という意味だ。
TVを見たり練習する前に考えること。
これに尽きます。
先天的な能力や特別な練習にあるわけではなく、シンプルに考えるだけです。これなら誰にでもできるはず。
そのためのヒントはここに書かれています。
思い立った日が吉日というか、やれば進むのでやることからですね。
やるかやらないかの判断は0.1秒で決めることができます。
ちょっとでも悩んだらやらない、やろうと思ったらやる。
その基準で上手くいきますよ。