【プレミアム】市場調査で知る停滞からの脱出法(1) FavoriteLoadingあとで読む

: 事務局
そのマーケット、すでに頭打ちかもしれません。市場調査で企業の未来が見えてくる。なるべくお金をかけずに効果的な市場調査をする方法教えます。(1)では「市場調査とは何か?調査手法は?」について説明します。
市場調査で知る停滞からの脱出法(1)

目次

市場調査は何のために必要?

市場調査とは、市場のニーズを調査することです。 新製品や新サービスの企画開発をするときや改善するとき、またリアル店舗の出店をするときなど、世の中にどのくらいの人がそれを欲しいと思っているのか?どのような属性の人なのか?を調べます。

つまり市場調査とは、消費者の欲求やニーズ、行動、市場の規模感などを調べることを指しています。

では、市場調査は何のために必要なのでしょうか?

自分たちがどれほど素晴らしいものだと思っていても、人がそれを欲しいと思っていなければその商品やサービスは売れません。 たまにありがちなのは、市場調査をせずに、これまでのユーザー像からペルソナを決めてしまって「売れるはず」という思い込みでスタートさせてしまい、売れなかったときに悩んでしまうことです。

ウェブ担当者のみなさんはサイトに掲載するコンテンツ記事を書くとき、キーワード調査や競合サイト調査をすると思います。 キーワード調査や競合サイト調査の目的は検索上位表示させるためですが、その奥にあるのは「ユーザーの検索意図を深く探り、ユーザーのニーズを掴む」ことですよね。

キーワード調査なども、市場の規模感や消費者のニーズを掴む、という意味では市場調査のひとつと言えるでしょう。

まずは、ユーザーを知ること、市場のニーズ・規模感を把握すること。 そのために市場調査は必要なのです。そして次のステップとして、市場調査で分かったデータから分析・推測することが大切です。

市場調査とマーケットリサーチとマーケティングリサーチの違い

ところで、マーケティングの本を何冊か読むと、「市場調査」「マーケットリサーチ」「マーケティングリサーチ」の3つの言葉が出てきます。 この違い、ご存じですか?

「市場調査」=「マーケティングリサーチ」として説明しているところもあれば、「市場調査」=「マーケットリサーチ」であり「マーケティングリサーチ」の一部として説明しているところもあります。

マーケティングリサーチでは、市場・競合などの外部環境や内部環境の観点から、定性的・定量的データを収集して、広く顧客やニーズ、市場を知っていくためにさまざまな視点から分析をしていきます。また、現時点だけでなく将来の市場動向についても予測・考察を行います。

一方で市場調査は、消費者の欲求やニーズ、行動、市場の規模感をデータから事実を知ることです。

外部のリサーチ会社に調査を依頼する場合には、まず言葉の定義をお互いに認識して調査を依頼する範囲を決めておいたほうが、対象や手法など計画・調査の時点でムダな時間と費用がかからずに済むかもしれません。

この記事では「市場調査」を狭義の意味としてとらえ、「マーケティングリサーチ」の一部として進めていきます。

市場調査とマーケティングリサーチの違い

企業戦略にもとづいてWebにおいての戦略・戦術を考えていくときに、ウェブ担当者のみなさんが「Webマーケティング」としてやっている内容がまさにマーケティングリサーチに近いかもしれません。

Webマーケティングをどのように進めていけばよいのか、SWOT分析などのフレームワークについては、はじめてでも3時間でわかる、明日からできるWebマーケティングはじめの一歩 DVDで詳しく説明していますのでここでは割愛します。
(プレミアムメンバーの方はメンバーズサイトから講座動画の閲覧ができますのでそちらでご確認ください。)

市場調査の進め方と調べ方

対象となる人数がどのくらいいるのか?

市場調査において調べることはサービスや商品によって違ってきますが、必ず調べておいた方がいいことがあります。

  • 対象となる人口はどのくらいいるのか?
  • 人口構成(年齢比、男女比など)

人口のデータは、信頼できるデータが数多く公開されています。たとえば統計局ホームページのデータです。

2017年9月20日に公表された人口推計を見てみると、2017年9月1日現在では日本の総人口は1億2667万人(概算値)で、ここ数年総人口は減少していることが分かります。
統計局ホームページ/人口推計

シニア向け商品の対象となる人数はどのくらい?

具体例で人口を調査してみましょう。

高齢化社会が加速するにあたり、シニア向け商品の企画開発を考えている、と想定してください。
まず、シニア層の人口がどのくらいいるか調べてみましょう。

2016年10月1日現在
総人口 1億2693万人
60歳以上 4275万人(男:1902万人、女:2373万人)

日本の総人口比率

統計局ホームページ/人口推計/人口推計(平成28年10月1日現在)

60歳以上の人口割合は34%を超えています。かなり魅力的な市場に見えますね。

対象となる消費者のライフスタイルは?

消費者がいま何を求めているのか?どんな生活をして何が必要なのか?どんなライフスタイルなのか?を知ることは、市場のニーズを掴むうえで大切です。

これは、アンケートなどによる意識調査をまとめているサイトが参考になります。たとえば以下のようなサイトで無料で調査データが提供されています。

シニア層のライフスタイルや興味があることは?

またシニア層で具体的に調査してみましょう。

シニア向け商品をネットで販売することを考えている、と想定してください。 先ほど対象となるシニア層の人口は調べましたので、次にシニア層のライフスタイルや興味について調べましょう。

内閣府が毎年公開しているデータを見てみます。
高齢社会白書について – 内閣府

2016年度の調査では、60歳以上の1ヶ月あたりの平均収入額(年金含む)は、「10万円から20万円未満」の世帯が全体の32.9%で一番多くなっており、経済的な暮らし向きは「心配ない」と感じているようです。

「宅配サービスやネット販売の利用」は全体の2.0%と低いですが、その内訳では親と二世帯同居をしている家庭での利用が高くなっています。
在宅介護などで家にいる必要が高い環境下でのネット利用が多いのかもしれない、と推測されています。

次に、2017年に還暦を迎えるシニア世代1年生の調査結果を見てみましょう。
シニア世代でもスマホを持つ人が増えており、また60歳と言えば仕事でもパソコンやスマホに慣れていてSNSも使っている人たちです。

これからシニア層の商品を考えるのであれば、この調査結果は参考になるかもしれません。
2017年の還暦人(かんれきびと)に関する調査 | 会社情報 | プルデンシャル ジブラルタ ファイナンシャル生命 (PGF生命)

買い物で優先するのは「価格の安さや費用対効果」、積極的にお金をかけたいのは、男性「形が残るモノ」女性は「思い出に残るコト」が多くなっています。
「おじさん/おばさんみたいな格好は嫌」と答えた人が7割弱、また女性は、若い頃よりも60歳以降に美容(スキンケア・ダイエットなど)にお金をかけたい欲求が高まっています。

シニアがお金を投じる割合が高いのは「旅行」「健康」がやはり多いのですが、そこは市場が成熟しており競争も厳しくなっています。
ネットに強いこれからのシニア層に向けた新商品企画では、意識調査からいいアイデアが出てきそうです。

まとめ

市場調査や競合調査はどのように進めたらいいのか?何を調べればいいのか?をよく聞かれます。

市場調査の目的は、「どんな人がユーザーなのか」「そのユーザーはどのくらいの人数いるのか」「ユーザーは何に興味があるのか」「ユーザーはどんな行動をしてするのか」といったユーザーの実態とニーズを把握することです。

ネット上には無料でさまざまなデータが公開されています。
漠然と調べるのではなく、どんなデータが欲しいのか?どんなユーザーニーズを調べたいのか?を考えながら、データを探してみましょう。

次回(2)では、サイト改善に使える市場調査について説明します。

事務局
この記事を書いた人: 事務局

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