ニトリが店舗を“都心型”へ。想像以上の売上UPはなぜ? FavoriteLoadingあとで読む

: 丸山 耕二
新規顧客開拓を考える人へ。ニトリが都心に店舗を構え、赤字でもよいとの覚悟で商品を設置した結果、売上高が目標の5割以上増えたそうです。

Tokyo

画像:Pixabay

ニトリが都心への出店を進めています。
いくつかの記事を時系列で読んでいくと見えてくるものがあります。

【出店前の考え】

  • 日本消費の伸び悩みに連動し、新しい顧客層に新しい商品を届ける必要があった。
  • ネットで都内のユーザーが4割以上だったので、都内の店舗を用意しようと思った。
  • 最初は赤字でも都心の20代、30代の女性におしゃれだと知ってもらいたかった。
  • 渋谷や新宿などの都市に店舗を作ることは夢だった。

【出店後の結果から】

  • 想像以上に客が来た。男性客も増えた。
  • 出店している百貨店は40代、ニトリは20代から30代の顧客が多いので補完関係がある。
  • 高価格帯の商品を中心においていると、顧客の買い上げ点数は伸びない。
  • 売上は好調だが、都内は経費もかさみ利益が出づらいのでそこは課題。
  • 物流が鍵になる。都内では車を持たないユーザーも多く、店舗をショールムとして活用し、あとから配送というニーズもある。
  • 都心にあると海外のお客さまの目につきやすく、商談の機会も増えた。
  • 中国にも進出したい。

出店前にはやってみなければわからない状態での、テストに近いチャレンジだったと考えられます。
商品も比較的高単価なおしゃれなものを揃えてイメージ作りの一貫でもあったようです。
ちなみに初出店は銀座です。

出店後は予想以上に顧客がきて、自信を深めたというお話があります。
また高価格帯の商品を狙っていたが、買い上げ点数が伸びないので、中低価格帯の商品も投入していくという話しがあります。
低価格帯の商品をおくことで、今までのニトリユーザーへの訴求も狙っているとのことです。

このような内容から、新規顧客開拓としては成功しているが、既存の顧客をないがしろにしすぎてもいけないこと。
また利益をよりうまくあげる方法は模索を続けている状態なのかも知れません。

しかし、大切なことは「このまま普通のことをしていてはだめだ」と考え、新しいチャレンジを赤字覚悟で始めたことだと考えられます。
ネットのニーズと現状の課題を分析した上でリアル店舗を出店し、新規顧客を開拓しています。
そこで想定外のことも起こっていますが、総じて嬉しい悲鳴で売上は増え、ニトリはうまく出店を続けていけています。

ニトリの成功事例の中には、売上が伸び悩んだ場合のヒントが潜んでいる気がします。

好調決算ニトリ、都心で試される価格巧者の実力  :日本経済新聞
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丸山 耕二
この記事を書いた人: 丸山 耕二

ウェブ担当者通信の発起人。
株式会社ウェブジョブズ代表。
コンサルティングの他、ウェブ担当者教育などにも力を入れ、株式会社インプレスビジネスメディア社の運営するウェブ担当者フォーラムにて「誰もが受けたい!アクセス解析5 分クリニック」を連載。
著書に無料でできる! 世界一やさしいGoogle Analytics アクセス解析入門(秀和システム)
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