画像:写真AC
「ぜひ質のいい記事をお願いしますね」
「クオリティの高い記事だって評判でしたよ」
「質のいい文章を書くライターさんてどうやって見分けるんですか?」
ライターやコピーライター、編集者など、執筆業に携わっている方であれば、耳にタコができるほど聞いている言葉ではないでしょうか。
私の場合、週に1度は必ず目(または耳)にしています。とある媒体の担当者からのメールに毎回書かれているので仕方ないことではあるのですが…。(尚ここでは短めのコラムで俗に言うゴーストライター的なことをやってたりします、などとと急なカミングアウトしてみました)
またあるコンテンツ制作会社からの「○○の企画を書けそうなライターさん知ってる?」という相談メールにも“良い記事が書ける人で!”と必ず書かれています。
- 良い質の記事…
- 質の高い文章…
- ハイクオリティ…etc.
いろいろな言い方はありますが、そもそも“クオリティの高い記事(文章)”とはどういった記事のことを指すのでしょうか?反対にクオリティの低い記事ってどんなものなのでしょう?
質の良し悪しの定義は難しい
>質の良い文章
- 12歳くらいの子でも読める
- 困っていることを解決してくれる
- 押し付けるのではなく提案
- 要点がまとまっている
- 読者に呼びかけている
- スラスラ読める
- ウザくない(これまたざっくりですな…)
- 専門的なことも例えることでわかりやすくしている
- 誤字脱字がない
>質の悪い文章
- 専門用語使いすぎ
- ほとんど広告
- 人だったり企業だったりの批判ばかり
- なんの話なのかわからない(オチがない)
- 自分大好き丸出し(読み手のことを考えていない)
- 情報がまとまっていない
- 論点がズレている
他にもたくさんあったのですが、表に出すのもはばかられるものも多かったので、まぁよくある感じのものを中心にまとめました。
こう見ると、あぁなるほどなとは思うものの、明確に定義付けするのはやはり困難そうですね。
判断基準は有って無いようなもの?
正直なところ、この問題には誰もが納得する答えはないというのが私の判断です。
私が思う質の良い文章の最も大切なポイントをは、何よりも読者のが読みやすい、読んでいて楽しいと感じられるかどうかだと思います。これには賛否あるでしょうが、個人的にはこれは譲れません。編集の立場で見るときも読者目線で判断します。
この例えが適切であるかは少し自信が無いのですが、例えばグルメというテーマについて書かれた2つの記事、AとBがあるとしましょう。
記事Aは記事全体を通しての構成がうまく言葉も丁寧です。料理はもちろんお店やシェフの情報も余すことなくキレイにまとまっていて、グルメ選びの参考資料にバッチリ。
対して記事Bは、構成や文末の締め方に多少難がありますが、グルメ好きな書き手の個性が出ており思わずその熱引き込まれそうです。料理の美味しさが文章からもヒシヒシと伝わってきて、思わずお店までダッシュで向かってしまいそう。
さて、この2つの記事はどちらが質の良い記事だと言えるでしょうか。あなたの見解はどうでしたか?
掲載メディアのテイストやガイドラインにもよりますので、一概にどちらが良いとは言いづらいですが、一般的にはAの方が評価は高くなる傾向かな?と思います。読みやすい記事というのはやはり価値が高いです。
ただ、一方でBの記事だって質の良さで劣っているとは思いません。見直すべきところは少なからずありますが、その書き手にしか書けない文章を書けるというのは何者にも代えがたい才能です。
主観によって変わってしまう危うさ、だからこそ面白くもある
さて、まだまだ質についての議論はついきませんが、一つだけ確実なことがあるとすれば、それは読み手の“主観”次第であることです。
たとえ同じメディアの編集者で同じガイドラインをもとに記事のチェックを行っていたとしても、編集者の主観は少なからず入ります。それは読者にしても同様で、ある人にとっては面白い記事だとしても、また別の人にとっては面白くもなんともないものかもしれません。
専門的な知識がびっしりとつまった文章は、ある分野に精通した専門家にとってはとても面白く感じることでしょう。しかし、専門知識のない素人が読めば何も面白くない、小難しいだけの文章だと感じるかもしれません。反対にわかりやすく優しい文章は専門家にとっては物足りなく感じ、読むに値しないと結論づけてしまうかもしれません。
記事の良し悪しってあやふやな価値観なんだな。
そう思う方もいらっしゃるかもしれませんが、私はそれこそ文章の良さでもあると感じています。
とはいえ、どんなテイストの文章であっても、記事のクオリティを高くすることための工夫をすることは可能です。
それについては次回お話ししたいと思います。