ニッポン一億総活躍プランを掲げ、国が推進する働き方改革。
2017年は働き方改革元年とも言われ、テレビ番組やニュースサイトでも“働き方”に関するさまざな話題に事欠きませんでした。
2018年になって、その動きはさらに動きが活発になっています。
今では、リモートワーク、パラレルワーク、子連れ出社、国民総フリーランス時代、等など、働き方にまつわるワードが、メディアで飛び交うことも珍しいことではなくなりました。
元々ウェブ業界にいるみなさんにとっては、フリーランスやパラレルワーク、リモートワークといた働き方は、それほど珍しい働き方ではないかもしれません。
しかし中には業界自体がそうした新しい働き方に対応しておらず、イマイチ“新しい働き方”についてピンとこないというウェブ担当者の方もまだまだ多くいらっしゃるのも、また事実。
ウェブ通でも働き方改革をきっかけに、ある金融関連のシステムエンジニアNさんとに“働き方”についていろいろとお話をさせていただきました。
【プレミアム】新しい働き方を考えるVol.1
【プレミアム】新しい働き方を考えるVol.2
実はまだいくつか原稿が残っていたのですが、残念ながら諸事情によって掲載が難しくなってしまいましたた(データーが消えたり人的パワーが足りなかったり…)。
そこで今回は対談の際に感じたことや、お話をお聞きして個人的に考察したことなどを記事にしてみました。
記事化できなかった対談原稿からも抜粋しつつ記事にしていこうと思います。
日本人は働き方が下手?いつまでも変わらない日本人の働き方への意識
さて、こんなデータがあるのをご存知でしょうか。
労働生産性の国際比較 2017 年版(引用元:公益財団法人 日本生産性本部「労働生産性の国際比較 2017 年版」)
これはOECD(経済協力開発機構)に加盟する35カ国を、時間あたりの労働生産性で比較したもの。労働生産性とは、「労働量に対してどれだけの生産量が得られたか」を示す指標です。
このデータを見るとわかるように、日本の労働生産性は35カ国中で21位。主要先進7カ国の中では最下位となっています。しかもこの順位は近年だけのものではありません。1970年のデータ取得以来、すっと変わらず先進7カ国では最下位なのです。一応は、前年度から見ても生産は向上しているのですが、残念なことに他の国を追い抜くには至っていません。
例えば勤勉でしっかりと仕事を全うする日本とドイツだけを比較してみても、同じ様に見える2つの国でもデータの通り生産性には大きな違いがあります。なぜこんなにも違う結果になってしまったのでしょうか?
その原因の一つとして上げられているのが、日本の「長時間労働」です。
日本に蔓延する長時間労働=働き者という図式
連日早朝に出社し、終電ぎりぎりまで働く。
日本のほとんどの企業では、こういった人を働き者だと崇めている傾向があるように思います。崇めているはちょっと言いすぎかもしれませんが、働き者だと評価が高くなるのは間違いないでしょう。
早く帰る=やる気がない?
長時間労働=働き者
正直なところ私にはこれがピンときません。
時間が長かろうが短かろうが、その時間に見合った貢献ができていれば良いのではないかと思っています。
例えば
- Aさん…8時間労働。生産値は10
- Bさん…4時間労働。生産値は6。
生産値だけを見ればAさんの方がもちろん多いです。
しかし、効率で言えばBさんの方が上ですよね。
4時間しか働けないのであれば、4時間で生産できる最大限の貢献ができていれば良いと思います。その生産性に対して対価をあたえるべきではないでしょうか。
しかし残念なことに、日本の多く企業は「どれだけ会社に尽くしたか。どれだけ長く働いたか」で評価を決めてしまいます。これでは短い時間しか働けない人は報われませんし、評価も公平ではありません。
年長者への敬いを押し売り?
「定時の18時だ。仕事も片付いたし今日は早く帰ろう。」
ところが「お前、なに俺より早く帰ろうとしてんの?手が空いているなら手伝え!」「もう帰るの?やる気ないの?」と、先輩からお叱りをうける。こんな経験ありませんか?
これは対談の中ででもありましたが、年長者を敬うあまり下の者がその人よりも早く帰りづらい雰囲気があり、また年長者側もそれを当然としていることが問題となっています。
「年長者を敬う」や「助け合いの精神」を悪用していると捉えられても、仕方がないような気がします。
直接的な言葉はなくとも、早く帰れない空気や暗黙のルールがあるという企業はかなりの数あるのはないでしょうか。実際、私が在籍したいくつかの企業ではこの空気感がすごかったです。
もちろん年長者を敬うのは当然ですし、大変なときに互いに助け合う思いやりの心とてもは素晴らしいことです。これは日本人の良いところだと思います。
しかしながら、そうした思いやりの心は強要するものではありません。
次回は、企業と中で働く人との“働き方”に対しての意識差について考察したいと思います。