ウェブ担当者通信読者のみなさまお久しぶりです。
ウェブ通の実践ウェブ文章術が帰ってきました!
「ウェブに疎い自分が、ウェブの専門家のみなさまにお伝えできることは何だろう?ライティングしかできないしな…」
当時、編集担当になったばかりの担当Tの、そんな疑問から始まったこの企画。なんとseason2がはじまります。
まだまだ勉強中の身ですが、ライティングに関して私自身の経験や考えをお伝えすることが、皆さんにとってなにかのヒントになればと思っています。 どうぞよろしくお願いします!
さて、season2の初回のテーマは情報のリサーチについて。
ライティングというと、書く技術が注目されがちですが、実は一番労力や時間を要するのは情報収集ではないでしょうか。
例えば、2000字の記事を書くとき。情報をかき集めてやっと2000字になった記事と、入念なリサーチで得た情報を精査して取捨選択した2000字とでは、内容の濃さが全く違ってきます。
読者にとって役立つ記事は、やはり後者。
書く前の段階である情報収集はとても重要なのです。
もちろん、ただやみくもに多くの情報を集めればいいわけではありません。
今回は3つのポイントに分けて、リサーチのコツをご紹介します!
1.事前に「ペルソナ」と「クライアント」の意図を確認しておく
例えば、女性の働き方についての記事を作成するとき。
年齢、職業、独身か既婚か、子どもの有無など、対象となるペルソナによって内容は大きく変わります。
自分で執筆する場合でも、ライターに依頼する場合でも、ペルソナをきちんと設定・共有しておかなければ、見当違いな情報を集めてしまいかねません。
また、クライアントの意図を事前にしっかり読み取っておくことも大切です。
記事の方向性によっては、クライアントに不利益をもたらすことも。
なんとなくの打ち合わせでスタートしてしまうと、記事ができてから「思っていたものと違う」とNGになる可能性だってあります。
情報リサーチを始める前に、記事に関わるすべての人の認識を一致させておきましょう。
2.確かな情報源をあたる
情報を集める方法は、
などさまざまです。
私が原稿を編集するときは、まず一度ザッと目を通します。
そうすると、どれくらいリサーチされたものかが見えてくるのです。
必要に応じて追加リサーチをお願いするのですが、一番困るのは、インターネットで軽く検索して二次情報、三次情報の記事をまとめたようなもの。
どんなに言葉を工夫しても、どこかで見たことがあるような薄い内容になってしまいます。
取材以外の方法で信頼度が高いのは、やはり書籍です。
書店に行って関連書籍のタイトルをながめるだけでも、世間で関心が高いトピックが自然と浮かび上がってきます。
よさそうな書籍を入手したら、後ろのページにある参考文献を手がかりに、さらにほかの書籍をたどることもあります。
インターネットはとても便利な反面、玉石混淆なのも事実です。
例えば健康情報であれば、厚生労働省のe-ヘルスネットをあたるなど、国家機関や大学、学会、大手企業など、情報の精査がおこなわれているサイトを優先したいところ。
私がよく使うのは、検索ワード・検索フレーズに「site:go.jp」や「site:ac.jp」、「学会」、「協会」などを加えて検索する方法です。できるだけ新しい情報を得るために、更新日もチェックします。
行き着いたサイトに掲載された参考リンク先に飛び、さらに情報を集めることもありますし、不明な点があれば電話して直接聞くことも少なくありません。
ネット検索にはテクニックも必要です。
困ったときは、以下のページで紹介されている検索のコツを試すのもひとつの手。
「Googleでの検索のコツ」
support.google.com/websearch/answer/134479?hl=ja
また、すでに知っていることでも、念のために調べる習慣をつけることが大切です。
情報の裏取りができるだけでなく、新たな情報を入手できることもあるでしょう。
質の高い情報を手に入れるために、一歩踏み込んだリサーチを心がけたいですね。
3.常にアンテナを張っておく
いままで関わったことがないジャンルの案件であれば、依頼を受けてからのリサーチになることが多いでしょう。
ただし、もし同じジャンルの案件が続くのであれば、日頃からアンテナを張っておくことをおすすめします。
私の場合は、新聞や書籍、信頼できるサイトをこまめにチェックして情報を集めています。
また、SNSで依頼と関連するアカウントをフォローしたり、専門家が発信するメールマガジンを購読したり、グーグルアラートででマイアラートを作成したりして、常に新しい情報が届くような環境も整えています。
まとめ
情報リサーチの精度を上げることで、記事の質もグッと上がるはず。
大切なのは、二次情報や三次情報をかき集めるのではなく、一次情報をたどって記事の信頼性を確保することです。