【プレミアム】『サイボウズ式』編集長 藤村さんの社内を巻き込むコミュニケーション仕事術 第5話 FavoriteLoadingあとで読む

: 高田 信宏
連載5回目は『サイボウズというブランドのつくり方 – 予算とSNS活用』についてです。メディア戦略に限られた予算をどう使うべきか、悩まれている読者の方も多いのではないでしょうか。また、ブランドを拡く認知させるための記事構成やSNS活用についても、サイボウズ式ではルール化されて取り組まれていました。ぜひご覧ください。

第5話

目次

◆5-1 SNSは賛否両論の場 – コメントに対する向き合い方

DRESS

丸山:記事を出されていくなかで、SNSの拡散によって色々なつぶやきも起こりますよね。少しネガティブなことを書かれたときに、その投稿に対して対応はどうされているのですか?

藤村:いえ、それ自体は特にやっていないというのが大きいですね。炎上とかの話に繋がってくると思うのですが、基本的に出したコンテンツの「内容」に対する賛否両論が起きるのは良いと思っています。内容に関する否定的な意見が出るのも、ディスカッションにおいては普通のことですしね。そこに対しては全くノータッチでいます。

それ以外の理由の場合、例えばそもそもの記事が間違っていたり、煽っていたり、釣っていたりするなどで炎上が起こるというのは、絶対に避けなければいけないことだと思っています。僕たちはサイボウズというブランドを担っていますし、細心の注意を払って記事をチェックしています。

その結果なのか、現状はあまり記事に関するネガティブなコメントは出ていないですね。昔は私も実力が足りなくて、ネガティブなコメントを書かれてしまったこともありましたが、今はとにかく注意を払っています。もし、間違っている情報が出てしまうことがあれば、そこはきちんと謝罪します。

◆5-2 ブランディングとして投資する予算をどう使うべきか

丸山:ムービーに登場する芸能人へのアプローチというのも人脈なのかなと思うのですが、それに対する予算は無制限についているのでしょうか?

藤村:いえ、無制限ではないですね。第4話でご案内したブランドムービーについては、大きな予算がつきました。

丸山:決まっている予算の中で、何にどのくらい投資するかを都度決めていく感じでしょうか?

藤村:そうですね、一年ごとに予算が決まっているので。あのムービーは大きな投資だったと思います。サイボウズ式も含めたブランディングには、こうしたブランドムービーを作ったり、チームワーク教育もやったり、NPO支援もやったり…。そのなかの一つで、私はサイボウズ式というメディアをやっているという位置付けになりますので、その部署も含めた全部の予算というのはあります。

丸山:外部のライターさんにお願いする際には、1記事いくらみたいな形で予算を設けるのですか?

藤村:そうですね。結構バラバラですね。

丸山:ライターさんをピックアップする基準のようなものはありますか?

藤村:私が元々ウェブ系のメディアで編集記者をやっていたこともあり、最初はその時に知り合った方々にお願いをすることが多かったですね。今は、基本、編集部でライターさんを探し見つけることが多く、編集部のメンバーが読んだ記事のなかで「このライターさん、良いかも」と思った人に打診をさせていただく、といった流れです。正式に執筆をご依頼差し上げる際は、必ず一度お会いするようにしています。

あとは、仕事をご一緒するライターさんが、紹介してくださることもあります。

DRESS

DRESS

ライターの池田園子さんは、DRESSという媒体の編集長もされています。自分でライティングするだけではなく、編集者として他のライターさんともやりとりをしていらっしゃるらしく、その伝手でライターさんをご紹介してくださることもありますね。

丸山:それぞれの記事のアイキャッチ画像は、ライターさんの意向ですか?あるいは皆さんで決めているんでしょうか?

藤村:アイキャッチ画像は編集部の企画担当者が決めています。イラストレーターさんに書いてもらうこともあり、「ブロガーズ・コラム」は、イラストレーターのマツナガエイコさんにずっと依頼をしています。100記事ぐらいあると思うのですが、この画像が出てきたら「ブロガーズ・コラムだ!」「サイボウズ式だ!」と言ってもらえる事が多くて、嬉しいですね。

アイキャッチ

◆5-3 『サイボウズ式』読ませるデザインの作り方と拡散への意識

丸山:なるほど。イラストのテイストもそうですが、なによりフォントが読みやすいですよね。行間とかもです。

藤村:それはとても大事にしています。特にスマホにした時のフォントは。

丸山:パラグラフ(段落)の中の文字数を決めているんですね。

藤村:スマホ読者の方は、基本的にライトにコンテンツを見たいので、ぎゅっと文章が詰まっていると、それだけでウザいというか、読む気をなくしてしまいますね。LINEで会話をしているぐらいの感じに編集を入れています。

丸山:インタビューのときも、吹き出し調の形でやっていますが、これも読みやすいですね。

吹き出し

藤村:そうですね。アイコンとか吹き出しを入れて、文章を読む際にワンクッション置くようにしています。これによって、文章を読むことの心理的な障壁が下がると思うんです。

もし作成している文章が記事ではなく論文だったら、ガチガチに書いてもいいんですが、あくまでもスマートフォンで読むメディアですから、その辺りは注意してやっています。

丸山:こうした配慮はアクセスにも、影響されていますか?

藤村:弊社の読者はモバイルからのアクセスが62%、タブレットが3.8%なので、65%以上がモバイル端末ということになります。デスクトップからは少ないので、モバイルに最適化した編集やデザインも含めて編集しています。

丸山:何時頃に公開するなどのルールは、あるのでしょうか?

藤村:一応決めているのは、朝の7時です。あとは、はてなブックマークなどで読まれそうなものは、夜の19時にしています。

朝7時は、通勤時間にFacebookとかソーシャルを見ている人に、記事が流通していくように、という意味です。軽い読みもの系は、仕事が終わった後にサクッと読んでもらえるぐらいのボリュームにしていますね。

全体的に、ソーシャルメディアを通じて記事が広がっていくことを見据えて、公開日時のスケジュールを組み立てています。やはり、ソーシャルからの流入が圧倒的に多くなってくるので、その人達に流通できるように時間を考えています。あまり厳密にはやっていませんが。

藤村 能光さん

NEWS PICKS-『サイボウズ 株式会社』

あと最近で言うと「NewsPicks」からの流入が増えているのが特徴かなと思います。やはり、公開したコンテンツに対してコミュニケーションが起こるということが、コンテンツを作るうえでの鉄則だと思いますので、コメントというコミュニケーションが起きやすいのがNewsPicksですね。

サイボウズ式の記事は私自身もPickしています。全然当たらないものもあるのですが、当たる時は結構当たるので面白いですね。

『サイボウズ式』編集長 藤村さんの社内を巻き込むコミュニケーション仕事術 第6話:編集長のスケジュール管理・ツール活用術と採用への影響につづく

高田 信宏
この記事を書いた人: 高田 信宏

NPO法人クリエイター育成協会 理事/東京マネージャー
ワットエバーロング株式会社 代表取締役
デジタルハリウッドSTUDIO渋谷 Webディレクション講座 講師
Webマーケティング企業に入社しSEOディレクターとして活動後、IT教育企業に転身。Webマスター兼講師として、各種サイトの運営管理を行う傍ら、講義やセミナーを通して、デザインとマーケティングの両極からの視点を伝える教育に励む。
著書:『デザイナーのためのプロの制作術が身につく Webディレクションの教科書』(共著、SBクリエイティブ社)


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