250兆円規模と言われるAPIエコノミーとは? FavoriteLoadingあとで読む

: 丸山 耕二
APIエコノミーという言葉を知っていますか?IBMにより250兆円規模になると資産された巨大経済圏です。ウェブ担当者にも無縁じゃないこの言葉をぜひ知っておきましょう。

2016年のIBMの試算によると、今年2018年におけるAPIエコノミーの市場規模はなんと250兆円に達すると予言していました。

世界のコーヒーの市場規模が約8兆円、映画で4兆円といわれていますから、なんとコーヒーの30倍、映画の60倍以上の大きな市場が、今年突如として現れるということになります。

このAPIエコノミーとは、何なのでしょう?
そもそも誰も騒いでいませんが、この話は本当なのでしょうか?

APIエコノミーは直訳すればAPIが生み出す経済圏。つまりコーヒー経済圏がコーヒーに関わる経済活動であるように、APIエコノミーはAPIに関わる経済活動のことを指します。

そもそもAPIって何?

とはいえAPIという言葉自体、聞いたことがあるけど、よくわからないという人も多いと思います。

APIはApplication Programming Interfaceの頭文字をとったもので、「アプリケーションが互いにやりとりするために使用するインタフェースの仕様」という意味です。
IT用語なのですが、この時点で難しそうですし、なぜ250兆円になるのかも想像が難しいと思います。

そこでいったんイメージを飛躍して、未来を考えた時にAPIがどのように活用されているのかを想像することで、APIの役割を理解してみましょう。

未来はモノやコンピューター同士が会話する?

2028年の日本

ここは今から10年後。2028年の日本です。
車の自動運転は当たり前になっています。

あなたがホンダの最新車に乗り込むと。車があなたのGoogleカレンダーの予定から「神戸に10:00に着」という情報を読み取り、予定到着時刻である9:45を提示します。
あとは決定ボタンを押すだけで目的地に向かって動き出します。

あなたは車にのっている間、目の網膜に直接投影された神戸のレストラン情報を調べています。運転はしません。

車は道中、他車と通信をしながら、うまく渋滞や事故を避けています。また勝手にいくつかの充電スタンドと通信し、一番安い価格で提供しているスタンドでエネルギーを補給しながら、目的地に向かいます。

現地につくと、まさにさっき一台空いた駐車場があるようなので、そこを予約し、車が勝手に駐車します。駐車料金は、車を出すと同時にあなたの電子ウォレットから自動的に引き落とされます。

未来は”API通信”が作る

画像:Adobe Stock

よく漫画などでも登場するような話ですから、「ありえそうな未来だ」と思った人も多いかもしれませんね。

ここで大切なのは、自動車やカレンダーや充電スタンドや駐車場など「モノ同士が勝手に通信して互いに会話をしている」ということです。

荒唐無稽と思われるかもしれませんが、これからのITは繋がる時代のITと言われていますし、多くの人がこのような未来を想像できるということは、おそらく世の中はそうなる可能性が高いです。

つまりモノ同士が会話することにより、驚く程便利な世の中になっていくのが、これから先10年からの話であり、この基礎技術やそこから生まれる新しいサービスに多くのお金が集まることになります。

APIとは「ソフトウェア同士の会話シナリオ」を指す

さて、話を未来予想図から今へと戻しましょう。

APIとは、このソフトウェア同士の会話シナリオのようなものです。

駐車場には駐車場ソフトウェアの会話のシナリオ(今安いよ、とか何台空いているよ、とか)がありますし、カレンダーはカレンダーアプリのシナリオがあります。車は多くのモノと会話をするので、そのいろいろな会話シナリオに対応できないといけませんね。さながら、演劇の主役といったところでしょうか。

ここでAPIの言葉の定義を改めて振り返ってみましょう

APIはApplication Programming Interfaceの頭文字をとったもので、「アプリケーションが互いにやりとりするために使用するインタフェースの仕様」という意味だとお伝えしました。

つまり「アプリケーション(ソフトウェア)が互いにやりとり(会話)するインターフェースの仕様(シナリオ)」というわけです。

これからの時代は、このシナリオの仕様がたくさん生まれ、そしてモノ同士が通信して会話できることで新しいサービスがどんどん生まれていきます。

この流れにはブロックチェーンと呼ばれる技術も参戦し、より効率的な通信のやりとりに繋がっていくでしょう。

250兆円といわれるAPIエコノミーは、このような未来で生まれてくる市場を金額で試算したものだったというわけです。

とはいえ今年に250兆円は早すぎると思うので、誰に目にも明確になってくるのは2020年頃だと思われますが。

誰が儲かるの?

さて、250兆円と聞くと、この市場に参戦したいと思う人もいるかもしれませんね。

このAPI経済圏は、ウェブサイトの黎明期に近いと思ってもらえるといいかもしれません。

ウェブサイトでも、1995年のWindows95が出たくらいの初期は、エンジニアがウェブサイトを作り、サービスを普及させていきました。
そしてGoogleが設立したのは1998年。多くのメガサービスはこの時点で生まれます。ただ残念ながら、黎明期の時点では、ウェブの世界がエンジニアのものだったように、APIエコノミーもまた、エンジニアが中心に作り上げる世界です。ビジネス企画者はエンジニアと組んで構築する必要がありますね。

一方で、2018年の現在では、誰でもウェブサイトを作れるようになり、うまく自社のサービスに活用することができるようになっています。

従って、将来的にはエンジニア以外でも誰もが恩恵を受けるようになるのは確実です。
これから登場するAPIエコノミーという経済圏は、20世紀のインターネットがそうであったように、21世紀に大きく社会を変える大きな潮流なのです。

画像:Adobe Stock

おまけAPIbankというサービス

ウェブ担当者通信とは直接関係ないですが、私はAPIbankというウェブプラットフォームをお客さんと一緒に作っています。

▼APIbank
www.apibank.jp/
こちらのサイトのミッションは「開発者支援」。

エンジニアの人が、世界中のAPI、つまりソフトウェアのシナリオを探し、試して、使ってみるまでを簡単にできるようにしていきます。

また、APIについての情報も少ないので、海外の情報など含めて、実務家の情報とともに記事としてご紹介していっています。(このあたりはウェブ通にも近いですね)

今回の記事もそうですが、私たちが知っていることで、多くの人に伝えたいと思うことを発信していきます。

事業をやっている人であれば、人工知能や辞書APIなど「こんなAPIもあるのか?では自社でも使ってみたい」と思うようなものを揃えていきますので、ぜひ見てみてください。

 

丸山 耕二
この記事を書いた人: 丸山 耕二

ウェブ担当者通信の発起人。
株式会社ウェブジョブズ代表。
コンサルティングの他、ウェブ担当者教育などにも力を入れ、株式会社インプレスビジネスメディア社の運営するウェブ担当者フォーラムにて「誰もが受けたい!アクセス解析5 分クリニック」を連載。
著書に無料でできる! 世界一やさしいGoogle Analytics アクセス解析入門(秀和システム)


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